International Conference on the Science and Applications of Nanotubes and Low-Dimensional Materials (NT)は、カーボンナノチューブ(CNT)をはじめとするナノチューブおよび低次元材料に関する国際会議であり、ナノ材料の合成、構造・物性評価、デバイス応用など、幅広い分野に関して活発な議論が行われる。今回で第26回目を迎えたNT26は2026年8月23日から28日までドイツ・ベルリンにて開催された。ナノチューブおよび低次元材料に関する最新の研究成果について、口頭発表およびポスター発表が行われた。

本会議では、“Electrical contact formation of CNT@BNNT heteronanotubes by plasma etching and metal-induced thermal dissolution”と題して、CNT@BNNTヘテロナノチューブにおける電気的コンタクト形成手法についてポスター発表した。

CNTはシリコンを大きく上回る高い移動度から次世代エレクトロニクスに向けて近年注目されている先端ナノ材料である。しかし、周辺物質の影響を受けやすいという課題が存在する。そこで、CNTを窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)が被覆した構造であるCNT@BNNTヘテロナノチューブは、絶縁性のBNNTによる清浄な界面で半導体型CNTの伝導が保護されることから、CNT本来の優れた輸送特性や高い安定性を有することが期待されている。一方で、絶縁性BNNTがCNTと電極間の電気的接触を阻害することが、デバイス応用に向けた大きな課題となっている。
本研究では、プラズマエッチングによるBNNTの局所除去とBNNTおよびCNTの金属中への溶解反応を利用したCNT@BNNTにおける複数の電気的コンタクト構造の形成を検討した。その結果、加熱処理およびプラズマ処理による電流増加を確認し、内層CNTと電極間の電気的接触形成を実証した。また、加熱後のナノチューブ直径変化の解析から、BNNTとAlとの反応性についても明らかにした。
また、討論ではデバイス作製プロセスや評価方法に関しての議論を行い、コンタクト形成におけるCNTへのダメージや構造変化について多くの質問や意見をいただいた。
本国際会議では、自身の研究に関連するナノマテリアルの合成やデバイス応用に関する講演を中心に聴講し、関連分野における最新の研究成果や注目されている研究テーマに触れることができた。異なる研究の視点やアプローチを知ることで、自身の研究に対する新たなアイデアや刺激を得ることができ、今後の研究を進めるうえで貴重な機会となった。
また、これまでの国際会議への参加経験を生かし、研究内容について英語で積極的かつ円滑に説明するとともに、質疑応答においても質問の意図を理解したうえで、自身の考えを交えて回答することができた。特に、英語で研究内容を説明する経験を重ねたことで、研究の要点をより分かりやすく伝えられるようになり、相手にも自身の研究内容をより深く理解してもらえるようになった。その結果、研究内容についてより円滑な意見交換や議論を行うことができ、有益な情報や意見を得ることができた。

さらに、学会期間中には、研究活動だけでなく、レストランでの注文など現地での生活を通して、英語によるコミュニケーション能力のさらなる向上が必要であることを実感した。一方で、海外の研究者や現地の人々との交流を通じて、日本とは異なる文化や価値観に触れることができ、自身の視野を広げる機会となった。研究面だけでなく、国際的なコミュニケーション能力や異文化への理解を深めるという点においても、非常に有意義で密度の濃い経験となった。
最後になりましたが、本国際会議への参加および研究発表に際し、多大なるご支援を賜りました一般財団法人丸文財団様に、心より御礼申し上げます。
