国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和8年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
宇佐美 茂佳
(大阪大学)
会議名
International Workshop on Gallium Oxide and Related Materials(IWGO-6)
期日
2026年8月2日~7日
開催地
College Park, Maryland, United States of America

1. 国際会議の概要

IWGOは酸化ガリウムおよび関連する材料の国際会議であり、2年に1度の周期で開催される。酸化ガリウムは次世代パワー半導体材料として注目されており、世界中から当該材料に携わる研究者が集い、結晶成長からデバイス、理論に至るまで幅広いトピックに関して活発な議論が行われる。また、会期を通してシングルセッションで行われるため聞き逃しが発生しないのも特徴である。今回で第6回目を迎えるIWGOはアメリカのメリーランド州、カレッジパークにて開催された。IWGO-6における口頭講演数は80件(うち招待講演21件)、ポスター講演数は116件であった(Withdrawn除く)。

本会議は基本的に酸化ガリウムが主体であるが、関連する結晶として酸化アルミニウム、酸化インジウムおよびそれらとの混晶や、酸化ゲルマニウム(GeO2)など他の酸化物半導体の講演も多数発表されている。今回、私は次世代パワー半導体材料として注目されているGeO2に関してポスター講演を行った。GeO2関連の講演数は口頭、ポスター併せて8件であった。

2. 研究テーマと討論内容

ポスター講演では酸化物気相成長(OVPE)法を用いてGeO2が成長可能か熱力学計算にて予測した結果と実験結果との比較について報告した。
パワー半導体においては、移動度の向上、高耐圧化を実現するために機能層の高純度成膜が必須である。さらに、競争相手がSiとなるため、低コスト化も求められる。
我々の提案するOVPE法は、金属元素を酸化物ガスとして供給するため、原料に不純物を含まず、原理的に高純度成膜が可能である。また、有毒ガスや高価な有機化合物を用いないため付帯設備の簡素化および原料コストの低減を通じて、低コスト化も実現可能である。

熱力学計算の結果からはGeO2が成長可能であると予測され、実験結果も概ね予測と整合する結果が得られた。当日の発表では、酸化物ガスの発生方式、温度・圧力条件について多くの質問を受けた。特に酸化物ガスを固体として析出させる際に用いる酸化剤に関して多くの質問が寄せられた。今回の計算では酸化剤として水蒸気を仮定したが、他手法(MBE,MOVPE等)では酸素ガスを酸化剤として広く用いされている。多手法との比較のためにも、今後は酸素ガスに関するデータも提供できるように実験を進めていく。

また、次に何をするのか?や論文で報告しているのか?という質問も非常に多かった。GeO2は新しい材料であるため、自分も含め情報が何よりも重要である。学会での発表内容については迅速な論文化を進めていく。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

私は窒化物半導体がこれまで主な研究のフィールドであったが、今回初めて酸化物半導体材料の国際学会に参加した。違う材料分野の学会に参加したことで、自分が取り組んできた材料の立ち位置がより鮮明となった。材料が変われば当然ながら直面する問題やアプローチが変わり、常識とされているものが他方では通用しないということが起こり得る。それぞれの材料で得た知見を今後の研究に活かしていく。

また、昔所属していた研究室に留学生として来ていた学生が、米大学の助教に着任しており、たまたまIWGO-6にて再会した。これも何かの縁としてつながりを大事にしていきたい。学術発表に関する英会話はもちろんのこと、こういうときの日常会話力もより一層鍛えていく必要があると痛感した。

最後に、本国際会議への参加に対してご支援を賜りました丸文財団の皆様に、心より感謝申し上げます。

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