国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和8年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
植木 七海
(芝浦工業大学 大学院理工学研究課 電気電子情報工学専攻)
会議名
31st Microoptics Conference (MOC 2026)
期日
2026年9月27日~30日
開催地
ベルギー ブリュッセル

1. 国際会議の概要

Microoptics Conference (MOC) は微小光学に関する国際会議であり、光エレクトロニクスに関連する様々なテーマを取り上げた国際会議である。1987年に第1回MOCが開催されて以来、継続して会議が開催されており、今回が第31回MOCとなっている。ここ数年は毎年会議が開催されており、1年ごとに国内、国外で実施されている。MOCでは、光通信、光インターコネクト、光センシングな広範な研究領域において論文募集が行われ、研究成果の発表と活発な議論が展開されている。第31回MOCでも、これまでと同様に“Passive devices”、“EO/OE and active devices”、“Integration, packaging and Si photonics” などのトピックに関する研究成果が発表された。取り上げられているトピックの中に“Measurement and sensing”、“Optical sensing and processing” など、自分の研究に極めて近い内容が紹介されていたので研究成果を投稿し、採択していただいた。

第31回MOCでは、初めにプレナリーセッションがあり、その後oral sessionやposter sessionが行われた。発表件数は全部で96件であった。第32回MOCは、来年、岡山で開催される予定である。

 
学会の様子

2. 研究テーマと討論内容

“Pressure dependence of transmission spectra in mechanically-induced long-period fiber grating with few-mode fiber” という題目で研究発表を行った。光ファイバのコア部に周期的な屈折率変化を付与された光ファイバブラッググレーティングや屈折率変化の周期が比較的長い長周期光ファイバグレーティングは、局所的な光センシングに適したファイバ型光素子である。紫外光等の照射により光ファイバに回折格子を書き込む方法や、回折格子を機械的に光ファイバに圧着する機械的誘導方式により実効的に光ファイバ中に回折格子を発現させる方法により、光ファイバグレーティングは製作されている。機械的誘導方式による光ファイバグレーティングでは、回折格子が光ファイバに圧着された場合、回折格子の周期をもとに決定される波長において光ファイバ中を伝搬する光波がクラッドモードに結合されることで、特定の波長(共振波長)のみ実質的に光伝搬損失が増加し、スペクトルに変化が生じる。回折格子の圧着により生じるスペクトル変化を読み取ることで、圧力をはじめとして、各種情報をセンシングすることが可能となる。

本研究では、Few mode fiberを用いて長周期光ファイバグレーティングを構成し、共振波長などを測定した。Few mode fiberの場合、伝搬する導波モードが複数存在するので、クラッドモードとの結合条件および共振波長も導波モードごとに存在することとなる。本研究では、まず、マクスウェル方程式を解いて得られる波動方程式から導波モード、クラッドモードの伝搬定数、等価屈折率を導出し、共振波長を理論的に求めた。次に、Few mode fiberにおいて機械的誘導方式で長周期光ファイバグレーティングを発現させて伝搬光のスペクトルを測定した。共振波長における出力光強度から、光伝搬特性の荷重依存性を明らかにした。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)


会場周辺(グランプラス広場)の様子

第31回MOCに参加し、ベルギー、ブリュッセルにあるル・プラザホテルの会議室で、120分間のポスターセッションで研究成果を発表した。ポスター発表は全体で41件あり、120名程度の参加者が会場で質問、コメントをしていた。Few mode光ファイバに発現する長周期グレーティングの光波伝搬特性について研究成果を発表した。想定している運用環境や、Few mode光ファイバとシングルモード光ファイバを融着した動機等の質問を受けた。他の参加者の発表も見学し、質問等を行って積極的に議論を交わした。国籍問わず様々な参加者と議論を交わすいい機会となり、今後の研究に参考となる知見を得ることができた。また、自身の英語の拙さゆえに専門的な単語を用いたコミュニケーションに手間取ることがあったため、英語学習に精進しようと思った。

最後に、本報告書を通じて、一般財団法人丸文財団に多大なるご支援を賜りましたこと深く感謝申し上げます。

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