12th Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing (PRICM12)は、先端材料および材料プロセシングに関する国際会議であり、金属材料、半導体材料、機能性材料、ナノ材料、エネルギー材料、電子・光デバイス材料など、幅広い材料科学分野の研究者が参加する国際的な研究集会である。今回の会議は2026年8月にオーストラリア・Gold Coastで開催され、各国の大学、研究機関、企業等から多数の研究者が参加し、最新の研究成果に関する講演、ポスター発表、討論が行われた。
本会議では、材料の合成・加工・評価に加え、先端材料のデバイス応用や産業応用に関する発表も多数行われた。特に、低次元材料、ファンデルワールス結晶、半導体デバイス、光・電子機能材料に関するセッションは、申請者が取り組むテラヘルツ(THz)機能デバイス研究と密接に関連していた。申請者は本会議において、ファンデルワールス結晶を用いた超高速THz検出器に関する招待講演を行い、材料科学とデバイス応用の両面から研究成果を発信した。
本会議では、“Preparation and Applications on Ultrafast THz Detection of Van der Waals Crystals” と題して、ファンデルワールス結晶および低次元材料ヘテロ構造を用いた超高速THz検出器の作製と応用に関する研究成果を発表した。

発表では、Bi2Se3、PtTe2、グラフェン等の層状・低次元材料を対象として、高品質結晶の作製、ヘテロ構造デバイスの形成、THz応答特性の評価、および次世代通信・センシング応用への展開について報告した。特に、Bi2Se3/h-BNヘテロ構造を用いたゼロバイアスTHz検出器では、外部バイアスを印加しない条件でも高速応答を示すことを紹介し、低消費電力・受動型THz検出器としての可能性を議論した。また、SiC基板上エピタキシャルグラフェンを用いた非対称デュアルグレーティングゲートFET型THz検出器について、プラズモン整流効果およびフォトサーモエレクトリック効果に基づく高速THz応答を報告した。討論では、ファンデルワールス結晶の結晶品質、ヘテロ界面の制御、デバイス作製プロセス、THz応答機構、ならびに将来的な集積化・応用展開について意見交換を行った。特に、ゼロバイアス動作による低消費電力化、室温動作の安定性、THz通信・イメージング・非破壊検査への応用可能性について、材料科学およびデバイス工学の観点から有益な助言を得ることができた。
本国際会議への出席により、申請者のファンデルワールス結晶を用いたTHz検出器研究を国際的に発信するとともに、先端材料およびデバイス応用分野の研究者と直接議論する貴重な機会を得た。特に、招待講演として研究成果を発表できたことは、申請者のこれまでの研究が国際的に関心を集めていることを示すものであり、今後の研究展開にとって大きな励みとなった。会議期間中には、低次元材料、半導体材料、光エレクトロニクス、エネルギー・機能材料分野の研究者と交流し、ファンデルワールス結晶の材料合成、界面評価、デバイス化、THz計測に関する情報交換を行った。これにより、自身の研究を材料プロセシング分野の視点から見直すことができ、今後のデバイス性能向上や国際共同研究の可能性について具体的な示唆を得た。また、海外研究者との討論を通じて、THz検出器の応用先として、次世代6G/7G無線通信、リアルタイムTHzイメージング、非破壊評価、環境・バイオセンシングなどへの展開可能性を再確認することができた。本会議で得られた知見および人的ネットワークは、今後の研究推進、共同研究の形成、国際共著論文や共同発表への発展に資するものである。以上のように、本助成による国際会議参加は、研究成果の発信にとどまらず、国際的な研究交流、研究視野の拡大、将来の共同研究の基盤形成という点で極めて有意義であった。
