
2026年4月にイギリス・マンチェスターにて開催された「INTERMAG 2026」に参加した。INTERMAGは磁気工学および磁気応用分野における代表的な国際会議の一つであり、世界各国の研究者・技術者が集まり、最新の研究成果について活発な議論が行われる。
本会議では、磁性材料、スピントロニクス、磁気デバイス、電気機器、電力変換など、磁気工学に関連する幅広い分野について取り扱われる。基礎研究から応用技術まで多岐にわたる研究成果が報告されており、磁気工学分野における最新動向を知ることのできる貴重な機会であった。
筆者は「12/10 Switched Reluctance Motor Capable of Operating as Induction Motor」という題目でポスター発表を行った。本研究は、Switched Reluctance(SR)モータの高効率化を目的とした研究であり、SRモータとしての駆動に加え、誘導モータとしても動作可能な新しい駆動方式について提案したものである。
SRモータは永久磁石を使用しない磁石レスモータであり、レアアース資源への依存低減や耐環境性の観点から近年注目されている。一方で、トルクリプルや騒音などの課題も存在しており、それらを改善する新しい駆動方式の検討が求められている。本発表では、SRモータと誘導モータ双方の特徴を活用することで、高効率運転を可能とする手法について報告した。
発表時には、提案手法の動作原理に加え、効率改善効果や運転特性、今後の応用可能性に関する質問を多く受けた。特に、日本国内以上に磁石レスモータ研究への関心が高い印象を受け、海外研究者から多角的な視点で質問や意見をいただくことができた。自身としては、教員となって初めての国際会議参加であり、また久しぶりの国際学会であったため、十分に流暢な説明ができたとは言い難かったものの、英語で研究内容を説明し、議論を行う貴重な経験となった。
会議期間中には、研究発表だけでなく、世界各国の研究者との交流を通じて多くの刺激を受けた。特に欧州圏では磁石レスモータに対する注目度が高く、研究背景や産業事情の違いに基づく議論は非常に興味深いものであった。
また、開催地であるイギリスならではの文化にも触れることができた。会議中の休憩時間にはティーブレイクが設けられており、本場の紅茶文化を体験できたことは印象的であった。さらに、レセプションはマンチェスターのフットボール記念館を貸し切って開催され、サッカー文化が地域社会に深く根付いていることを実感した。

マンチェスター市内では、産業革命期に勤勉に働く姿を働きバチになぞらえたことに由来する「蜂」が街のシンボルとして用いられており、街の歴史や文化を感じる機会にもなった。また、暗号解読やチューリングマシンで知られるアラン・チューリングゆかりの地でもあり、市内の公園には銅像や記念碑が設置されていた。工学研究に携わる立場として、非常に興味深い歴史的背景を持つ都市であると感じた。
今回の国際会議参加を通じて、自身の研究内容を国際的な場で発信することの重要性を改めて認識した。また、海外研究者との議論を通じて、新たな視点や今後の研究改善につながる示唆を得ることができた。
最後に、本国際会議への参加に際しご支援を賜りました一般財団法人丸文財団に深く感謝申し上げます。
