国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
杉元 友哉
(東京科学大学 大学院電気電子系 電気電子コース)
会議名
The 2025 IEEE Global Communications Conference (GLOBECOM)
期日
2025年12月8日~12日
開催地
Taipei International Convention Center (TICC), Taipei City, Taiwan

1. 国際会議の概要


学会会場と台北101

本報告書では、2025年12月に台湾・台北にて開催された通信分野における国際会議「IEEE Globecom 2025 (IEEE Global Communications Conference)」への参加について報告する。

2025年12月8日から2025年12月12日の会期で、台湾・台北市のTaipei International Convention Center (TICC) にて開催された。IEEE Globecomは、IEEE Communications Society(通信ソサイエティ)が主催する会議の一つであり世界中の産学官の研究者が一堂に会する極めて影響力の大きい会議である。本会議は、無線通信、ネットワーク技術、光通信、信号処理など、通信工学のあらゆる最先端技術を網羅している。

口頭発表だけではなく、多くのデモや各界の著名な研究者の基調講演などがあり、貴重な経験になった。

2. 研究テーマと討論内容


ポスター発表

本会議では、「Autonomous mmWave Beamforming for UAV-to-UAV Communication using LiDAR-Camera Sensor Fusion」という題目で口頭発表を行った。UAVとはUnmanned Aerial Vehicle の略であり、一般的にドローンと呼ばれる無人航空機である。本研究は、災害現場や大規模イベント時など通信回線がひっ迫する状況におけるUAVを用いたバックホール回線の構築を目的としている。具体的には、カメラとLiDARを組み合わせたセンサフュージョンにより、GNSS (Global Navigation Satellite System) の測位誤差が問題となる近距離(30m以内)かつ高速移動環境下においても、60GHz帯ミリ波の鋭いビームを正確に指向させる手法を提案したものである。60GHz帯は通信においては高い周波数帯で、大容量通信が可能な代わりに、減衰や反射の影響が大きく、ビーム方向を絞って通信をすることが求められる。UAVは高速で移動するためこのビームを低遅延で追従することが求められる。本研究では、この課題に対し応答が必要ない自機のセンサーのみでのビームフォーミングシステムを提案した。

質問としては、UAVの速度に関するものやシミュレーション結果の考察について聞かれ、今後の研究方針やシミュレーション結果の見せ方について考えるきっかけとなった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本会議への出席を通じて得られた成果は、技術的なフィードバックの獲得のみならず、研究者としての国際的なネットワーク構築や視野の拡大など、多岐にわたる。

第一の成果は、自身の研究に対する自信と新たな課題の発見である。基調講演では同様に「ISAC(Integrated Sensing and Communication:通信と測位の融合)」分野を研究している研究者のプレゼンテーションを聞くことができ、自身の研究にも応用できると考えた。
一方で、複数のUAVを同時に対象とするマルチユーザビームフォーミングへの拡張や、より複雑な気象条件(強風による揺らぎ等)への対応といった、次に取り組むべき具体的な課題も明確になった。

第二の成果は、英語によるコミュニケーション能力の実践的な向上である。質疑応答やコーヒーブレイクでのカジュアルな会話において、単に英語を話すだけでなく、論理的に自説を主張し、相手の意図を正確に汲み取る能力の重要性を痛感した。また、全体を通して感じたのは、世界の研究スピードの速さと、実社会への実装を強く意識した研究姿勢である。多くの発表が理論解析にとどまらず、プロトタイプや高度なシミュレーション(デジタルツイン)を用いた実証実験を伴っており、社会実装への道筋を明確に描いていた。この「使える技術」を追求する姿勢に強く刺激を受け、自身の研究も単なる論文発表で終わらせず、実際の災害現場や都市インフラで役立つ技術へと昇華させたいというモチベーションが強く喚起された。

総じて、IEEE Globecomへの参加は、最先端の知見を吸収する場であると同時に、世界というフィールドで自身の力を試し、次なるステップへと飛躍するための極めて有意義な機会であった。

今回の助成による支援がなければ、このような貴重な発表の機会を得ること、および世界トップレベルの研究環境に身を置くことは困難であった。本助成金が、私の研究活動の飛躍的な発展と、将来的な社会貢献に向けた大きな投資となったことに深く感謝し、得られた知見を今後の研究成果として還元していく所存である。改めて、心より御礼申し上げます。

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