国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
馬酔木 ゆめの
(北海道科学大学大学院)
会議名
2025 Materials Research Society (MRS) Fall Meeting & Exhibit
期日
2025年11月30日~12月5日
開催地
アメリカ, マサチューセッツ州, ボストン
(Hynes Convention Center and adjacent Sheraton Boston Hotel)

1. 国際会議の概要


学会会場

本助成を受け、米国マサチューセッツ州ボストンにて開催された2025 MRS Fall Meeting & Exhibit(2025年11月30日~12月5日)に参加した。本国際会議は、材料科学分野における世界最大級の国際会議であり、エネルギー材料、機能性材料、ナノ材料、計測・解析技術など、幅広い分野に関する最新の研究成果が発表・議論される学術集会である。なお、MRSの年次大会はSpring Meeting(春)とFall Meeting(秋)の年2回開催されており、2026年春はハワイ州ホノルル、2026年秋は今回と同じく、マサチューセッツ州ボストンで開催される予定である。

本会議には世界各国から多くの研究者が参加し、口頭発表やポスター発表を通じて活発な国際的学術交流が行われた。特に、本研究が属するエネルギー関連材料分野においては、先端的な計測手法や理論解析を用いた研究が多数報告され、活発な討論がなされていた。

2. 研究テーマと討論内容


発表会場前

本学会では、「Investigation of Cs Adsorption-Induced Local Structural Changes in Weathered Biotite Using Si K-Edge EXAFS」というテーマで口頭発表を行った。

現在、我々は新規の環境調和型熱電材料として期待されている風化黒雲母に着目している。風化黒雲母は層状構造を有しており、その層間にアルカリ金属イオンを吸着させることで、電気伝導度やゼーベック係数を含む熱電特性が変化することが報告されている。

本研究では、溶融塩法を用いて風化黒雲母の層間にCsを吸着させた際に生じる局所構造変化に着目し、物性変化と密接に関係すると考えられる原子レベルでの構造情報を明らかにすることを目的とした。具体的には、Cs吸着量の異なる各風化黒雲母試料に対して、Si K吸収端EXAFSを用いてSi原子周辺の局所構造を解析し、Cs吸着が風化黒雲母の構造に与える影響について検討を行い、その結果について報告した。

討論では、Cs吸着後の局所構造の安定性や、吸着量の変化が構造に及ぼす影響について意見交換が行われ、研究の解釈および今後の課題について理解を深めることができた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

私は今回、人生で初めて海外での国際会議に参加した。また、英語による口頭発表も初めての経験であり、非常に貴重な機会となった。自身の研究内容を国際的な場で正確に伝える能力の重要性を強く実感した一方、慣れない英語でのコミュニケーションにより、質問を数回聞き返してしまうことや、質問の意図を把握できても英語での表現が不十分で十分に伝えられない場面があった。その結果、円滑な意思疎通の難しさを痛感した。

本経験を通じて、自身の勉強不足を強く認識するとともに、語学力向上への意欲が芽生え、研究者として成長する上で極めて有意義な経験となった。さらに、熱電材料をはじめとするエネルギー分野に関する多様な口頭発表を聴講することで、最新の研究動向について多くの知見を得ることができた。今後も学習を怠らず、自身の研究成果を国際的な場へ発信できるよう努めていきたい。

最後に、本学会への参加にあたり、ご支援いただいた貴財団に心より御礼申し上げます。

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