
MRS Fall Meeting & Exhibitは、MRS (Materials Research Society) が毎年2回実施する世界最大級の材料研究に関する国際科学会議であり、世界中の科学者が基礎分野と応用分野の双方における最先端の学際研究を発表する。2026年の春季にはホノルル、2026年の秋季にはボストンでの開催が予定されている。
本学会では6日間にわたって、Characterization (CH)、Electronics, Optics and Photonics (EL)、Energy and Sustainability (EN)、General interest (GI)、Manufacturing (MF)、Materials for quantum information technologies and topological systems (MQ)、Materials Theory, Computation and Data Science (MT)、Nanomaterials (NM)、Soft Materials and Biomaterials (SB)、Structural and functional materials (SF) といった10個のセッションに分かれて口頭発表およびポスター発表が行われた。研究発表の他にも企業の展示会やキャリア相談会なども開催されていた。ポスター発表は夜の7時から9時に行われ、軽食やドリンクを飲みながら議論が活発に行われた。

私はEL06 (Hybrid Perovskites)のセッションにて「Development of Highly Efficient FAPbI3 Perovskite Solar Cells by the Addition of Isobutylammonium Chloride」という題目でポスター発表を行った。
ペロブスカイト太陽電池は低コストと柔軟性などの長所から次世代太陽電池として注目されている。今回私が研究対象としたFAPbI3は従来型の吸光材料よりも耐熱性と広い吸収波長範囲を持つことからペロブスカイト太陽電池の次の吸光層の材料として期待されているが、室温大気中においては不安定であるという課題がある。本研究では、従来用いられていた添加剤よりも更に疎水性が高い塩化イソブチルアンモニウム(iBACl)を添加剤として用い、FAPbI3太陽電池の安定性と光電変換効率への影響を検討した。その結果、長期安定性が向上し、太陽電池のエネルギー変換効率は平均効率と最大効率ともに少なくとも約3%以上向上した。このことから、iBAClの添加が材料の安定性とデバイス性能の両方を高めることを見出した。

私の研究発表がMost Popularに選ばれたため、ポスター発表にはペロブスカイトの研究者に加え、異なる分野の方々を含む多くの方々が来てくださった。作製方法やメカニズムなどについて問われたほか、さらなる耐久性や効率向上に向けて詳細なアドバイスをいただくことができ、大変意義のある時間となった。
また、英語での議論において上手く聞き取ることができなかったり、言いたいことがすぐに出てこないといった歯がゆい思いを何度もした。しかし、わからないことがあってもめげずにコミュニケーションをとり続けることが大事であると実感することができた。それと同時に、自身の英語のスキルをさらに磨いていきたいと強く思った。
今回はポスター発表を行ったが、次回は口頭発表に挑戦できるよう、より良い研究成果を出そうと研究の前向きなモチベーションにも繋がった。
本会議を通じて、ペロブスカイト太陽電池の最新技術や最新動向を知ることができ、世界中の研究者と共にペロブスカイト太陽電池の実用化へ向けて更に前進していきたいと感じた。
最後にはなりますが、本会議への参加に際し多大なるご支援を賜りました丸文財団様に厚く御礼申し上げます。
