国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和6年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
朱 瑞宸
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻)
会議名
The Conference on Lasers and Electro-Optics 2024 (CLEO 2024)
期日
2024年5月5日~10日
開催地
Charlotte Convention Center, Charlotte, North Carolina, USA

1. 国際会議の概要

「Conference on Lasers and Electro-Optics 2024 (CLEO 2024)」は、光学技術の科学および技術に関する世界有数の学術集会です。2024年5月5日から5月10日にかけて、アメリカ・ノースカロライナ州のシャーロットのコンベンションセンターで開催されました。
CLEO2024では、レーザーおよびエレクトロオプティクス分野における応用技術、基礎科学と科学とイノベーションの三つのクラスターに分かれ、最新の研究成果や技術応用が紹介されていました。

今回は自分の二回目の海外での国際会議参加経験でした。今後のキャリアと学びに繋がる貴重な経験でした。自分は今回の“Science&Innovation”セッションの“Laser Spectroscopy”というカテゴリでオーラルセッションにて発表を行いました。

次回の本会議CLEO 2025は2025年5月4日~5月9日にアメリカのLong Beachで開催予定です。

2. 研究テーマと討論内容

Vis-NIR Broadband Dual-Comb Spectroscopy towards Highly-Functional Measurements with a High-Power, High-Coherence Fiber Comb System”というタイトルで口頭発表を行った。

本研究では、デュアルコム分光をさらに応用性の高い可視領域に拡張させる。可視-近赤外スペクトル領域が、材料科学、医学や生化学などたくさんの分野に広く応用されている。しかし、可視-近赤外スペクトル領域をカバーする広帯域、高出力、高コヒーレンスを兼ね備えた信頼性の高い光コム光源はまだ少なく、この領域における高精度・高感度デュアルコム分光に適した光源の実現は困難である。本研究では、近赤外領域における2つのErファイバーコムに基づく、広帯域、高出力、高コヒーレンスを持つデュアルコム分光システムを開発した。チャープパルス増幅を用いてコムパルスを20 pJから25 nJまで増幅させた。グレーティングペアでパルスを再圧縮した後、高非線形性ファイバーで光の広帯域化を行って、それぞれ1100~1900 nmと1350~1700 nmの広帯域スペクトルが得られた。その後、広帯域光を二次高調波発生の非線形結晶に入射させ、550~900 nmと650~850 nmの可視-近赤外光が得られた。発生した可視-近赤外光コムを実際のデュアルコム分光に応用させ、700~800 nmの広帯域分光スペクトルを取得でき、光スペクトルアナライザーと一致する光スペクトルの抽出に成功した。また、可視領域でコヒーレント制御された信号も取得できた。将来的に偏光変調コムと組み合わせることで、可視-近赤外領域での精確な偏光変調を実現し、高精度・高感度な偏光測定ができる。

会期中、研究が近い複数の参加者とディスカッションができ、有意義な時間を過ごせた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回のCLEO 2024では、技術セッションやポスター発表、ネットワーキングイベントを通じて多くの研究者と知識を共有する機会があって、最新の研究成果や技術について深い理解を得られた。異なる国や地域の研究者と意見を交わすことで、多様な研究アプローチや視点を学ぶことができ、これが自身の研究に新たなインスピレーションを与えた。特に、交流を通じて得られたグローバルネットワークは、将来的な協力関係を築くための基盤となり、非常に価値のあるものと思っている。

最新の研究や技術に触れることで、自身の研究やキャリアに対する新たなインスピレーションを得ることができた。今回学会への参加は、自分にとって研究者として非常に価値のある経験であり、今後の研究活動やキャリアに大きな影響を与えるものと思っている。今後もより一層研究を積極的に取り組み、次回の国際学会等ではより有意義な議論に参加できるように努力したいと考えている。

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