CLEO Pacific Rimは、世界中の光学およびフォトニクス分野の研究者や専門家に、レーザー物理学から工学的応用に至るまで、技術の最新進歩や原理を検討する場である。
テーマとしては、レーザー物理学、非線形光学、フォトニクスと光通信、バイオフォトニクス、材料科学における光学的応用等がある。
通常、2年ごとにアジア太平洋地域で開催され、会場は主要な国際都市や学術的なハブが選ばれることが多い。今年度は韓国の仁川に存在する松島コンベンシアで8/4 ~ 8/9まで開催された。
2日は主に講習会とシンポジウムがあり、一般発表が始まったのは5日からである。ポスター発表は6, 7, 8日の午後に開催されており、多くの人々が活発に議論を行っていた。口頭発表は、私は主に光計測や超高速レーザーのセッションを聴講していたが、席は満席で立って聴講する人も多く、とても活発な場であった。
5日の夜には立食パーティ、8日の夜にはバンケットが開催され、皆が親睦を深めているように見受けられた。
私は、「Development of Broadband Fiber-Based Frequency Comb Light Sources Beyond the Gain Bandwidth Using Nonlinearity in a Laser Cavity」というタイトルで発表を行った。本研究では、ファイバレーザー共振器内に蓄積された高いパワーを用いることで、非線形光学効果によるスペクトル拡大を目的として行った。
ファイバ中を伝搬するパルスは伸縮しながら伝搬するため、ピークパワーが最も高くなる位置を実験的に求め、その位置に非線形性の高いファイバを挿入することで共振器から直接広帯域スペクトルの取得に成功した。 また、CWレーザーの周波数線幅測定に用いられる自己遅延ヘテロダイン法を、光周波数コムモード線幅測定に応用することで、共振器内スペクトル拡大による線幅の増大を検討し、わずかな線幅の増加がみられることを確認した。
質疑応答では、共振器内スペクトル拡大を確かめる際の具体的な実験手順についての質問や、自己遅延ヘテロダイン法を行うために光周波数コムとCWレーザーとのビート信号を測定する際、CWレーザーの線幅はどの程度以下である必要があるか、また、CWレーザーに対して周波数安定化は行っているのかといった質問があった。休憩時間にも声をかけていただき、より深く議論することができた。
国際会議に出席する機会を得たことは、私にとって非常に貴重な経験となった。この会議は、専門分野における最新の研究成果や技術動向を把握する絶好のチャンスであったと同時に、国際的なネットワークを広げる重要な機会でもあった。以下に、私が得た主な成果について述べる。
会議中は、さまざまな国からの研究者や専門家との交流が求められた。これにより、英語でコミュニケーションをとるスキルが向上した。また、韓国語の簡単なコミュニケーションにも挑戦し、国際的な会話を経験することができた。これらの経験は、今後、国際的なプロジェクトやコラボレーションがあった際に、大いに役立つものであった感じた。
会議では、同じ分野に興味を持つ多くの研究者と直接対話することができた。これにより、自分の研究が国際的にどのように位置付けられているのかを知るとともに、他国の研究者の研究内容についても知ることができた。
全体として、この国際会議は非常に有意義なものであった。最新の研究トピックや技術トレンドを学ぶだけでなく、国際的な視野を広げることができたと感じている。また、多くの異なる視点や意見に触れることで、自分の研究に対する新たな洞察を得ることができた。
今後もこのような国際的な場に積極的に参加し、さらなる知識の向上とネットワークの拡充を図っていきたいと考えている。
最後に、本会議に参加するにあたりご支援いただきました貴財団に心より御礼申し上げます。