国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和6年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
高野 大晴
(電気通信大学)
会議名
35th International Conference on Database and Expert Systems Applications (DEXA2024)
期日
2024年8月26日~28日
開催地
University of Naples Federico Ⅱ, Naples, Italy

1. 国際会議の概要

35th International Conference on Database and Expert Systems Applications、通称DEXA2024は35th DEXA Conferences and Workshopsの中の一つの国際会議です。
DEXA2024は、データベース情報・知識システムを用いた最先端の研究成果を発表し、新しいアイデア、独創的な研究成果、実践的な開発経験を共有・議論するための主要な国際会議です。DEXA2024以外にも、ビッグデータやセキュリティ、AIシステムなど幅広い分野に関する国際会議が同時に開催されました。

会場はイタリアのナポリにあるナポリ・フェデリコ2世大学(University of Naples Federico Ⅱ)で、2024年8月26日から28日の3日間にわたり行われました。

2. 研究テーマと討論内容


発表時の様子

私は、「Fast Concept Drift Detection Exploiting Product Quantization」というタイトルで口頭発表を行いました。本研究は、時間経過と共にデータの性質が変化することで機械学習モデルの精度が低下するコンセプトドリフトという問題を扱っています。この問題に対処するため、コンセプトドリフトを検出するアルゴリズムを提案しました。一般的に、高次元データにおけるコンセプトドリフト検出の処理は非常に時間がかかります。私達の提案したアルゴリズムは、高次元データの処理を非常に高速に実行することが強みです。近似最近傍探索アルゴリズムの一つであるProduct Quantizationをコンセプトドリフトの検出処理に応用することでこの高速化を実現しました。

質疑応答では、最適なパラメータ選択の方法について質問を受け、現状のパラメータ選択における根拠が弱い点に気づかされました。現段階では、試行錯誤的にパラメータを設定していますが、論文としての完成度を高めるためには、より説得力のあるアプローチが必要だと感じました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回が私にとって初めての国際会議であり、世界中の研究者が自身の研究について語り、議論を交わす光景は大変刺激的でした。その中で私自身も発表を行うことができたのは、非常に光栄な体験でした。発表前には緊張もありましたが、私がリラックスできるように声を掛けてくださる研究者の方がいて、発表者がリスペクトされる温かい雰囲気を感じることができました。


カンファレンスディナーの様子

また、私以外にも多くの学生が参加しており、カンファレンスディナーでは彼らと交流する機会に恵まれました。異なる背景を持つ学生たちと研究について語り合うことで大きな刺激を受け、今後の研究のモチベーションが一層高まりました。

今回の経験を通じて、世界中の研究者と積極的に議論を交わすことで様々な知識を吸収し、自身の研究を高めたいという思いが一層強くなりました。一方で、研究者とのコミュニケーションにおいて英語力の向上が必要であることも認識しました。今回の経験を糧に、今後も研究活動及び語学学習に邁進してまいります。

最後になりましたが、本会議への参加をご支援いただいた貴財団に、心より感謝申し上げます。

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