国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和6年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
桝冨 直人
(九州大学 大学院システム情報科学府 電気電子工学専攻)
会議名
The 50th European Conference on Optical Communications (ECOC 2024)
期日
2024年9月22日~26日
開催地
ドイツ, フランクフルト

1. 国際会議の概要


会場の様子

今回参加したThe 50th European Conference on Optical Communications (ECOC 2024) は1975年に初めて開催され、現在まで毎年開催されている国際会議である。光ファイバー通信や集積フォトニクス、次世代ネットワーク技術などの光通信技術に関する世界最高峰の国際会議であり、今年で50周年を迎えた本会議では量子通信や空間分割多重技術などの光通信の最先端技術について多くの発表がなされていた。

初日はワークショップが開催され、最近の研究動向について議論があった。二日目から四日目は計11セッションの口頭発表が7部屋に分かれて行われ、三日目の午前から午後にかけては全セッション合同のポスター発表が行われた。学会中に開催された50周年記念パーティではヨーロッパならではの料理やバンドによる演奏が披露された。

2. 研究テーマと討論内容


発表の様子

本会議で私は“300-GHz-band Frequency Hopping with a Single Tunable Laser Diode for Secure THz Communication”という題目でポスター発表を行った。将来の大容量無線通信に向けてテラヘルツ波通信に注目が集まっているが、テラヘルツ波通信リンクは妨害や盗聴に対して脆弱であることが最近の研究で示されている。周波数ホッピング方式 (FHSS) はキャリア周波数をランダムに切り替える通信方式であり、登録されたユーザーを除いて正確な情報を受け取ることができない。そのためFHSSは将来の安全なテラヘルツ波無線通信に向けて非常に有効な方式である。今回の発表では我々が考案した単一の波長可変レーザによるテラヘルツ波生成手法をFHSSに応用し、そのシステムの実現可能性を示した。

発表時間の90分間ポスターの前に人だかりができ、多くの質問やコメントをいただいた。聴講者とは従来のテラヘルツ波生成手法との比較や実験に使用したデバイスなどについて議論を行った。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回、専門分野の世界最高峰の国際会議であるECOCに参加し、自身の研究分野の最先端の研究について多く学び、とても充実したものとなった。多くの海外の研究者との議論は私にとって刺激となり、今回得た知見を研究に活かし更なる成果を出すと同時に、多くの学会で発表したり論文を投稿したりすることを目的として、今後も誠心誠意研究に励みたいと思う。

最後に、本会議への参加にあたりご支援をいただきまして、一般財団法人丸文財団に心より感謝申し上げます。

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