国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和6年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
小窪 陸斗
(九州大学 大学院システム情報科学府)
会議名
SPIE Photonics West 2025
期日
2025年1月25日~30日
開催地
The Moscone Center, San Francisco, California, USA

1. 国際会議の概要

SPIE Photonics Westは1995年以来毎年開催されている世界最大のフォトニクス技術イベントです。今年は生物医学光学、バイオフォトニクス、産業用レーザ、オプトエレクトロニクス、微細加工、MOEMS-MEMS、ディスプレイ、量子技術などの最先端の研究に関する100のカンファレンスと、4つの巨大な展示会から構成されています。今年は24,000人以上がイベントに参加し、4つの展示会でのべ1,500以上の企業が出展し、カンファレンスでは5,000以上の技術プレゼンテーションが発表されました。

次回 Photonics West 2026は2026年1月17日~22日に開催予定です。


会場(Moscone Center)

SPIEロゴ

2. 研究テーマと討論内容

私は「Transient reflection measurement during laser heating of copper using visible laser」と題して口頭発表を行いました。電気自動車の生産量がカーボンニュートラルの実現を目指し増加する中、モーター製造における銅材料の溶接方法としてレーザ溶接が注目されています。近年、光吸収率が高い可視光レーザが、高速かつ欠陥のない溶接を実現する溶接手法として期待されています。

本研究では、可視光レーザ溶接中の銅の光吸収特性の変化を理解することで高効率な溶接を実現することを目指し、青色レーザおよび緑色レーザを用いた銅溶接時の反射光の測定を行い、高速カメラで照射スポットを観察しました。さらに、溶接部の元素分析測定、粗さ測定を行いました。

溶接中の反射光強度は、温度上昇、酸化、固体から液体への状態変化、および表面変形に伴い変化し、高速カメラの観察およびレーザ顕微鏡による測定から、表面反射の時間的変化や溶融による表面形態の変化が確認されました。さらに、窒素ガス吹付により表面の酸化度が大きく変化し、反射率に大きな影響を与えることが判明しました。可視光レーザ溶接中の銅の光吸収特性の変化のさらなる理解が高効率な溶接の実現につながると期待されます。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)


発表の様子

今回の発表は、私にとって2回目の英語での口頭発表となりました。前回と比較して、より正確に自身の研究を伝えることができ、研究者として成長する貴重な機会となりました。また、いくつかのレーザ溶接に関するセッションに参加し、最新の研究動向について情報を収集することができました。さらに、関連する研究を行っている学生と議論を交わし、交流を深めることができたことも貴重な経験となりました。

自身の口頭発表においては、企業の方々から貴重なご意見をいただき、今後の研究を進める上で新たな視点を得ることができました。

質問応答の場面では、自身の英語力に未熟な点があるものの、時間をかけて議論を重ね、自分の考えを伝えることに努めました。今後も英語力・コミュニケーション能力の向上に加え、研究推進に向けて、引き続き努力していきたいと考えています。

最後に、本会議への参加にあたり、多大なるご支援を賜りました貴財団に、心より厚く御礼申し上げます。

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