国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和6年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
天野 秀俊
(香川大学 大学院創発科学研究科 人工知能・通信ネットワークユニット)
会議名
The Conference on Lasers and Electro-Optics 2024 (CLEO 2024)
期日
2024年5月5日~10日
開催地
Charlotte Convention Center, Charlotte, North Carolina, USA

1. 国際会議の概要

CLEOは毎年40カ国を超える国々の研究者、科学者、技術者から論文が投稿され、質の高い発表が数多く行われる国際会議です(参加者3,000名)。多くの技術がここで生まれ、40年以上に亘り世界をリード。フォトニクス関連のカンファレンスの中で最も多くのノーベル物理学賞受賞者が研究論文発表の場として利用しています。


出展企業の様子

会場内の様子

2. 研究テーマと討論内容

■研究テーマ
本会議では、“Impact of AES-CTR Mode Modified QAM Symbol Block Cipher on Nonlinear Fiber-Optic Channels”と題して口頭発表を行いました。


発表の様子

Beyond5G/6Gで求められる大容量・高速通信に適した高秘匿光通信用暗号方式が求められています。現在の光通信用トランシーバでは標準的な暗号として、NISTにより標準化されたビットブロック暗号であるAES暗号が採用されています。我々は、さらなる高速化に対応するアプローチとして、M値のQAM信号に対してシンボル単位で暗号化を行うシンボルブロック暗号に着目しました。本発表では、CTRモードのAES暗号をシンボルブロック暗号に発展させた方式を提案しました。本方式では、暗号化/復号処理手順でlog2M倍のデータビットを暗号化および復号できます。また、本方式を偏波多重16QAM信号に適用し、長距離伝送を行った際のファイバ非線形光学効果に伴う過剰な信号品質劣化がないことを明らかにしました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本学会では、世界各地からフォトニクス関連の研究者が集まるため、セッションを通じて最新の技術動向を知ることで自身の知見を高めることができました。

今回が自身にとって初めての現地での国際学会発表だったため緊張しましたが、無事に発表することができました。しかし、他の研究者の発表を聴講する中で、自身のプレゼンテーション能力の低さや知識の浅さを痛感しました。
セッション後の質疑応答や休憩時間を利用して、他の研究者と深い議論を行うことができました。これにより、自分の研究がどのように国際的な視点で見られているかを理解し、新たな視点やアイデアを得ることができました。

最後となりますが、本学会の参加にあたり、貴財団に多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。国際学会で得たフィードバックや新しいアイデアをもとに、今後の研究に一層励んで参ります。

令和6年度 国際交流助成受領者一覧に戻る

ページの先頭へ