IEEE/ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computingは、研究者、科学者、エンジニア、業界関係者、学生が一堂に会し、コンピュータおよび情報科学のあらゆる側面に関する新しいアイデア、研究成果、経験を議論し、奨励し、交換する場として開催される。SNPD2023は主要な技術実現分野間の相互融合を促進することを目的としている。
今回は、台湾の国立勤益科技大学で開催された。本学会において、私はナーススケジューリング問題に対するソルバを用いた手法に関して発表を行った。
【題名】
“An algorithm using mathematical programming solver for the nurse scheduling problem”
【研究テーマ】
病棟看護業務に当たるナースの勤務表を作成する問題はナーススケジューリング問題（Nurse Scheduling Problem: 以下、NSP）と呼ばれる。このNSPは、法律で求められる勤務形態を守り、各ナースの負担を十分に考慮しながら、各日のシフトの必要人数を満たすなど、多くの制約が課された複雑な組み合わせ最適化問題である。NSPには、整数計画問題や制約充足問題などの標準問題に定式化することで解く厳密解法と、問題特有の性質に合わせたヒューリスティックスを用いるアプローチの2種類のアプローチがある。本研究では、厳密解法の数理計画ソルバを用いた発見的手法を提案する。数理計画ソルバを用いた発見的手法を構築することで、ある程度大きい規模の問題でも、短い時間で実用的な解を出力する手法の実現を目指す。発表では、NSPを部分問題に分割し、それぞれを数理計画ソルバで解く提案手法が、分割せずに制限時間をかけて解く手法よりも、同等の時間で良い解を出力したことを報告した。
自身にとって初の国際会議であり、英語での口頭発表には緊張したが、なんとか無事に発表を終えることができた。英語における議論は思うようにうまくいかなかったが、とても良い経験となった。会場は終始アットホームな雰囲気で居心地の良い学会だった。
会議では、AIや画像認識などの分野の研究者の貴重な発表を聞くことができた。さまざまな研究者の話やコミュニケーションを通じて自分の研究に対する姿勢への刺激となった。
晩餐会では、豪華な食事を堪能するだけでなく、さまざまな国籍の参加者とコミュニケーションを取ることができ、大変有意義な時間だった。会場の近くの地域は、日本とは少し違った生活感あふれる素敵な街で、歩いているだけで楽しかった。
最後に、本会議への参加にあたってご支援いただいた貴財団に心より感謝申し上げます。
