Optica sensing congressは、光学分野における国際会議の1つであり、光学センシングにおける最新の開発と様々なアプリケーションにおける光学センシングの利用に関する内容について発表が行われた。具体的なトピックとしては、アグリフォトニクス、ファイバベースのセンシング、テラヘルツセンシング、製造業におけるセンシングソリューション、ファイバレーザーなどが挙げられる。私は、Poster Session I においてポスター発表を行った。
本国際会議は年に1度開催されており、次回は2024年7月15~19日にフランスで開催予定されている。
「Evaluation of Dynamic Responses of Hetero-core Fiber Optics Pressure Sensor as Swallowing Assessment Device」というタイトルでポスター発表を行った。
加齢とともに低下する生体機能のひとつに嚥下機能があり、嚥下時の喉頭隆起の伸展時間を測定することで確認される嚥下機能の加齢による低下する嚥下障害は、生活の質を低下させる。嚥下時間の測定は、嚥下機能障害に対して実用的であることが知られているため、嚥下時間を正確に測定することは、嚥下機能障害の測定に有用である。
これまでに、皮膚に直接貼付する必要がなく、皮膚裂傷の可能性がないヘテロコア光ファイバ圧力センサを用いた嚥下評価デバイスが提案されてきた。この提案デバイスは嚥下運動に関連する喉頭隆起の動きを検知することで嚥下時間が測定可能である。先行研究において、提案されたデバイスの嚥下時の反応から、30~60歳の被験者の嚥下時間に顕著な差があることが分かっている。
動的応答である嚥下運動を検出するためには、嚥下運動における周波数領域特性とヘファイバ光ファイバ圧力センサの動的応答における性能を明らかにする必要がある。そのため、今回の発表では嚥下時の時間応答に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行うことで周波数成分を特定し、その周波数帯域におけるヘテロコア光ファイバ圧力センサの動的応答を評価した結果を報告した。
上記の研究内容について発表を行い、多くの方々がポスターを見に来てくださり、有意義なディスカッションを行うことができました。初めて海外で開催される国際会議における発表であったため、不慣れな場面もあり質問に対してすぐに理解できずに何度か聞き直してしまう場面もあり、英語能力を向上させることが大きな課題であることを痛感しました。初歩的な質問も数多くあったため、ポスターの表現能力についてもどこが不足していたのか、改めて明確に知ることができました。
また、現地で知り合った韓国の研究者の方と国際会議だけでなく現地で食事を共にし、研究や文化について話す機会があり、海外の方とコミュニケーションをとる機会に恵まれ、視野が大きく広げることができました。
最後に、本会議への参加にあたり多大なるご支援を賜りました貴財団に心から深く感謝申し上げます。