International Zeolite Conference (IZC)は、ゼオライトに焦点を当てた権威ある国際学会であり、ゼオライトを中心とした多孔質触媒に関わる研究者が情報交換をするため、3年に一度開かれる。会議では、開催国のスペインの他、世界各国から多くの研究者が参加し、ポスター発表や口頭発表が行われた。
<発表タイトル>
Low-density polyethylene cracking over defect-rich *BEA type zeolite
<討論内容>
廃プラスチックの深刻な増加に伴って、近年ケミカルリサイクルへの注目が高まっている。この方法によって、プラスチック資源の循環が実現する。しかし、化学分解に要するエネルギーが膨大であるため、未だ社会にはほとんど実装されていない。したがって、適切な触媒を設計し、分解温度を低下させて省エネ化することが目下の課題である。
本研究では、methyltriethoxysilane (MTES) を添加することで、意図的に多くの構造欠陥を導入したゼオライトを合成した。その結果、ゼオライトのLewis酸性が向上し、低密度ポリエチレン (LDPE) 分解性能が向上することを確認した。
初めての国際学会での発表ということで、多少緊張していたが、英語でポスター発表をして、質疑応答をした達成感が今回最大の収穫といえる。また、世界中の研究者のポスター発表や口頭発表を聞くことができ、研究に関する視野が広がった。
最後に、本会議への参加に際し多大なるご援助を賜りました丸文財団に心より感謝申し上げます。