Photonics West 2023は、The International Society for Optics and Photonics (SPIE) が主催する光科学および光技術に関する世界最大級の国際会議で2023年1月28日から2月2日にアメリカ・サンフランシスコにて開催された(図1)。
Photonics West 2023は、バイオ関連の「BiOS」、レーザ関連の「LASE」、光関連の「OPTO」に大別されている。「LASE」は16会議で構成されており、私はその中の1つ「Laser Applications in Microelectronic and Optoelectronic Manufacturing (LAMOM) XXVIII」にてポスター発表および聴講を行った。
私は「Effect of polarization angle on Laser-induced periodic surface structures by a two-color double-pulse femtosecond beam irradiation」と題し、ポスター発表を行った。
フェムト秒レーザの二波長ダブルパルス照射法を用いることで溝の直進性の高い周期構造を形成することができ、レーザの電界方向がナノ周期構造に与える影響を明らかにした。ナノ周期構造のアプリケーションとして用いられる細胞の伸展方向制御において、どのような形状のナノ周期構造が好ましいのかとの質問を受けた。私は、細胞はナノ周期構造の溝に沿って伸展するため、溝の形状に大きく影響を受ける。したがって溝の直進性と深さが重要なパラメータとなり、今回は直進性を高めることを目的とした。今後、深さに関する評価を行っていく予定であると回答した。
米国で開催された国際会議に初めて出席し、多くの海外の研究者と交流を持つことができた。ポスター発表では、日本から参加された方とは深い内容まで議論ができた一方、海外から参加された方については質問やコメントが聞き取れず、深く議論ができなかった。英語力があれば、より深い議論ができたので惜しいことをしたと考えた。また、会議の期間、シンガポールのAdvanced Remanufacturing and Technology Centreの研究者とレーザについてのディスカッションを行い、レーザ微細加工に関する動向を教えていただいた。また、米国のAPPLIED MATERIALS社の方とディスカッションを行い、米国企業での開発の進め方や、技術を社会実装する大変さや面白さを学んだ。今回の経験を通じ、自分の研究の重要性と課題を明確にすることができた。また、英語でのコミュニケーションの難しさや海外で活躍することの面白さを学んだ。今後、私は海外で活躍できる人材になるために、英語力の向上や研究活動にこれまで以上に精進しようと考える。
最後に、この度の国際会議の出席にあたり、貴財団よりご援助を賜りましたこと心より御礼申し上げます。