国際会議のプラットフォーム
IMECEは、アメリカ機械学会が主催し、毎年開催される主要な機械工学の国際会議である。本国際会議では、アメリカ合衆国のみならず世界中から多くの一線級の研究者が一堂に会して、情報の交換・研究発表を行う。例年の参加者は約5,000~7,000名であり、機械工学に関する幅広い分野の研究が発表され、非常に貴重な情報が得られる。
今年のIMECE2021は、新型コロナウイルスの影響により昨年と同様にオンラインでの仮想会議形式で開催された。11月1日~11月5日の5日間にわたって開催された本国際会議の参加者は約3,000名、発表件数は口頭発表が約1,350件、ポスター発表が約100件行われた。
(1) Trapping Characteristics of Magnetic Rod-Like Particles via Multi-Magnetic Poles in a Hagen-Poiseuille Flow (Brownian Dynamics Simulations)
討論内容:
本研究では、多対磁極によって非一様磁場が印加された円管内を流れる棒状磁性粒子の吸着特性についてブラウン動力学を用いて解析・検討した。円管壁面上に配置する磁極の配列形態や磁極間距離を操作することにより、棒状磁性粒子の吸着特性が著しく変化することが明らかとなった。発表後には、本シミュレーションによって得られる解析結果の評価方法についての質問をいただいた。
(2) Feasibility of the Multi-Particle Collision Dynamics Method for Taking into Account Multi-Body Hydrodynamic Interactions (Magnetic Disk-Like Particle Suspension)
討論内容:
本研究では、多体流体力学的相互作用を考慮したシミュレーション法として多粒子衝突動力学(MPCD)法に着目し、実現可能性を解明した。十分に小さい時間刻みを採用したMPCD法は、多体流体力学的相互作用を考慮したディスク状磁性粒子懸濁液の動的特性を評価するためのシミュレーション法として実現可能であることが明らかとなった。発表後には、シミュレーションによって得られる解析結果の妥当性に関する質問をいただいた。
国際会議当日の様子
私は、今回の国際会議に参加して2件の口頭発表を行った。発表後の質疑応答では、自身の英語スキルの未熟さから質問に対する回答を英語で表現することができず、指導教員から補助していただき回答することができた。また、自身の発表時間以外では口頭発表が行われている他のセッションへと参加し、海外で行われている最前線の研究内容について拝見することができた。加えて、国際会議中はオンラインでのチャット機能を通じて海外の研究者との交流を図り、専門分野に関する深い知見を得ることができた。国際会議への参加は今回が2回目であったが、口頭発表や質疑応答を通じて自身の英語スキルの未熟さを改めて痛感した。私は、博士後期課程への進学が決定しており、いずれは国際会議での質疑応答を自分自身で回答し、英語による口頭発表の内容を理解できるように自身の英語スキルを高めていきたいと考えている。
最後に、このような貴重な経験をするにあたり、ご支援いただいた丸文財団様に心より感謝申し上げます。