国際会議のプラットフォーム
IMECEは、アメリカ機械学会が主催し、毎年開催される主要な機械工学の国際会議であり、アメリカ合衆国以外にも世界中から多くの一線級の研究者が一堂に会して、情報の交換・研究発表を行う。例年の参加者は、約5,000~7,000名である。機械工学に関する幅広い分野の研究が発表され、非常に貴重な情報が得られる。
当初、IMECE2020は、アメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドで開催される予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オンラインでの仮想会議に変更された。11月16日~11月19日の4日間にわたって開催された本国際会議の参加者は約3,000名、発表件数は口頭発表が約1,200件、ポスター発表が約160件行われた。
(1) Elucidation of the trapping characteristics of magnetic rod-like particles flowing in a cylindrical pipe by means of Brownian dynamics simulations
討論内容:
本研究では、非一様磁場が印加された円管内を流れる棒状磁性粒子の吸着特性を、ブラウン動力学法を用いて解析・検討した。棒状磁性粒子の挙動と吸着特性は、流れ場の強さ、非一様磁場の強さ、粒子間の磁気的相互作用の大きさに依存して著しく 変化することが明らかとなった。発表後には、シミュレーションを実行する際の計算コストやブラウン動力学法の詳細等についての質問をいただいた。
(2) Feasibility of the multi-particle collision dynamics method for a suspension of magnetic rod-like particles (Accuracy of the activation level of particle Brownian motion)
討論内容:
多粒子衝突動力学 (MPCD) 法に着目し、粒子間の多体流体力学的相互作用を伴う粒子懸濁液の流動問題のシミュレーションを行った。モデルパラメータを適切に設定したMPCD法は、粒子間の多体流体力学的相互作用を考慮した棒状磁性粒子懸濁液の流動問題を検討するための有望なシミュレーション法であることが明らかとなった。発表後には、シミュレーションで用いた粒子数やこれからの研究の課題点などに関する質問をいただいた。
国際会議当日の様子
国際会議では2件の口頭発表を行い、発表後の質疑応答では、自身の英語スキルの未熟さから質問をうまく聞き取れず、指導教員に補助をしてもらいました。また、自身の発表時間以外では口頭発表が行われている他のセッションへと参加しました。国際会議中は、海外で行われている最前線の研究を拝見することができ、チャット機能を通じて海外の研究者との交流を図り、専門分野に関する深い知見を得ることができました。国際会議への参加は今回が初めてであり、非常に緊張しました。私は、博士後期課程への進学を考えており、いずれは国際会議での質疑応答を自分自身で回答し、英語による口頭発表の内容を理解できるように自身の英語のスキルを高 めていきたいと考えています。
最後に、このような貴重な経験をするにあたり、ご支援いただいた丸文財団様に心より感謝申し上げます。