国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
鈴木 聖弥
(秋田県立大学 大学院システム科学技術研究科 機械知能システム学専攻)
会議名
2019年ASME機械工学国際会議 (International Mechanical Engineering Congress and Exposition)
期日
2019年11月8日~14日
開催地
アメリカ合衆国・ユタ州・ソルトレイクシティ ソルトパレスコンベンションセンター

1. 国際会議の概要

IMECEは、米国機械学会が主催し、毎年開催される主要な機械工学の国際会議であり、米国以外にも世界中から多くの一線級の研究者が一堂に会して、情報の交換・研究発表を行う。参加者は、約5,000~7,000名である。機械工学に関する幅広い分野の研究が発表され、非常に貴重な情報が得られる。

今年のIMECEは、米国のユタ州ソルトレイクシティで11月10日~11月14日まで開催された。参加者は約5,000名、発表件数は口頭発表が約1,900件、ポスター発表が約400件行われた。

私は、経時変化する磁場中における磁性粒子に関するシミュレーション的な研究を行っており、今回の学会では主な応用先である流体工学および医用工学に関する発表を聞くことができた。

2. 研究テーマと討論内容

(1) Brownian Dynamics Simulations of the Motion of Spherical Particles in a Rotating Magnetic Field
討論内容
この研究では、回転磁場中における粒子の挙動をブラウン動力学法により検討した。粒子の凝集構造および粒子の磁気モーメントの磁場に対する追随性は磁場の周波数と大きさにより制御できることを明らかにした。発表後には、粒子間の流体力学的な相互作用の取り扱いや実際に想定している粒子のサイズなどに関する質問をいただいた。

(2) Monte Carlo Simulations of Magnetic Spheroidal Particles on a 2D Plane for Elucidation of Phase Change in Particle Aggregates
討論内容
化学的に調製される棒状磁性粒子は回転楕円体で近似することが望ましい。しかしながら、シミュレーションを行うにあたり、粒子の重なり判定が大きな障害となる。そこで本研究では、簡便な重なり判定法を構築し、モンテカルロシミュレーションへと適用することにより2次元平面における相転移を検討した。いかだ状クラスタから鎖状クラスタへの相転移は印加磁場の強さおよび粒子の面積分率により制御できることが明らかになった。発表後には、シミュレーションの粒子数や本研究の応用先などに関する質問をいただいた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際会議の口頭発表は、今回が2回目でしたが緊張しました。今回の国際会議では2件の口頭発表を行いました。発表後の質疑応答では、1件目では緊張のため十分に答えることはできませんでしたが、2件目では緊張が解け積極的に回答をしました。しかしながら、自身の英語のスキルがまだ十分でないため、質問をうまく聞き取れず、指導教員に補助をしてもらいながら回答をしました。

会場では、現地のユタ大学の学生の方と学生生活やソルトレイクシティについて英語で話をし、また先生方からは研究や研究に対する姿勢について聞くなど交流をしました。

最後に、このような貴重な経験をするにあたり、ご支援いただいた丸文財団様に心より感謝申し上げます。

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