国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
谷津 一希
(東京工業大学 物質理工学院 材料系)
会議名
TMS 2019 Annual Meeting
期日
2019年3月10日~14日
開催地
San Antonio, Texas, USA

1. 国際会議の概要

TMSはThe Minerals, Metals & Materials Societyの略で、材料工学分野や電気電子工学分野などの研究者が情報交流をするための会議が年に2回開催される。今回の会議はアメリカのサンアントニオで、3月10日から14日までの5日間にわたり開催された。会議では開催国のアメリカの他、全世界から70以上の国の研究者が参加しており、4,000人以上の研究者がポスター発表や口頭発表を行った。また、発表だけでなく各国の企業がエキシビジョンセッションを開いており、最新の装置のデモンストレーションを見学することができた。

2. 研究テーマと討論内容

口頭発表の様子

私は“Adhesion of Neural-like cells on Single-layer MoS2 towards Electrical Detection of Cell Activity”という題目で20分間の口頭発表を行った。iPS細胞などの培養細胞の研究が進む中、細胞と基板の接着評価を行う手法の開発が必要とされている。私はそのプラットフォームとして、優れた電子特性を有するナノ材料に注目した。ナノ材料の一種であるMoS2は光励起下で発光するフォトルミネッセンス特性を有しており、この発光は表面環境に敏感に応答する。本発表では、MoS2上に培養した細胞の接着や発火といった細胞活動をMoS2の発光特性の変化として空間的に検出するバイオセンサの紹介を行った。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際会議での発表は初めてであり、英語でのコミュニケーションに不安を感じながらの参加であった。学会初日はなかなか発表者の言葉が聞き取れなかったが、日数を重ねていくうちに耳が慣れていき、自分の発表の頃には相手の話を聞きながら次に話すことを考える余裕ができるまでになった。質問への答えはぎこちない英語になってしまったが、話の筋を伝えることはでき有意義な議論を行うことができた。完全な英文を考えるよりも、まずは言葉を発するということが大切であると感じた。

学会の場は皆が新しい知識や技術を吸収したいという好奇心を持っており、気になるトピックであれば多少の言語の壁があっても試行錯誤して意思疎通をとろうとしていた。この環境で過ごした経験は大きな刺激となると同時に、英語によるコミュニケーションへの抵抗を取り払うきっかけになった。

最後になりますが、本会議への参加に際して貴財団から多大なるご支援をいただき、心より御礼申し上げます。

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