学会開催ホテル
ICSICT は International Conference on Solid-State and Integrated Circuit Technology の略であり、IEEE が主催、北京大学、復旦大学が協賛する半導体集積回路とデバイス技術をテーマとした国際会議である。1986年に初めて開催し、今回の開催で14回目を迎える。本国際学会における一般論文投稿件数は計475件で、採択数は355件、採択率は75%であった。また、キーノート、招待講演論文が111件あり、世界中から研究者が集まっていた。
キーノートの発表の一つでは、CMOSの微細化は限界まで来ているため、CMOS+ Neuromorphicでの研究が重要になってくるとの話があった。一昨年では見られなかったAIに用いられる回路を中心にディスカッションを行うセッションが新たに加わっており、PLLやメモリー回路などのセッションが少なくなったと見受けられた。また参加学生は北京大学、の学生が多かった。ほかに東工大の方や、日本企業のかたなども参加していた。
報告者のプレゼンテーション
・Silicon Verification of Improved Nagata Current Mirrors
・DWA Algorithm for Band-Pass ΔΣDAC with Ternary Unit Cells
上記の2テーマの論文を提出し、Silicon Verification of Improved Nagata Current Mirrorsのほうでは共著者である、群馬大学 大学院理工学府 理工学専攻の研究室の後輩である柴崎有祈子さんに発表をお願いした。私は、今回S38 Data Converter IIのセッションにてDWA Algorithm for Band-Pass ΔΣDAC with Ternary Unit Cellsというタイトルにて口頭発表を12分間行い、その後3分間の質疑応答を行った。
研究内容としては測定機器やオーディオ機器に使用されるデジタル信号をアナログ信号に変換を行うDACの精度向上にむけて検討したアルゴリズムの成果発表といったものである。
発表後で中国の研究者からディスカッションをしたいとの旨のメールをいただいた。国境を越えて同じ分野の研究者として意見を交わす機会ができ、さらに研究での課題や今後の発展性を考えるよい場になった。今回の学会参加で北京大学の学生とともにランチを共にしたが、日本語・英語とも話すことができる方であり、ところどころ英語で話したが、慣れないこともあり日本語でも会話していただいたことから、自分自身のコミュニケーションのための英語力の必要さを感じた。また自らコンタクトをとり、話すことの機会を得る大切さを学んだ。
初めて海外に行き実感したこととしては、中国、ドイツの方々の英語のアクセントは独特でとても聞きづらいということであった。逆に指摘されたこととしては日本の方はアクセントが弱く、単語が聞き取りづらいとのことであった。話せているつもりでも、母国語によってイントネーションが変わりまったくわからない単語になるため、それぞれの国で、英語の話し方に特徴がでることを実感した。
海外の人のプレゼンテーションや研究は自身の学習にもなり、貴重な経験となりました。
最後に、本学会への参加にあたり、貴財団より多大なるご支援を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。