国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
木部 修斗
(千葉工業大学 情報科学部 情報工学科)
会議名
2018 IEEE GLOBAL COMMUNICATION CONFERENCE (IEEE GLOBECOM '18)
期日
2018年12月9日~13日
開催地
Abu Dhabi National Exhibition Centre, Abu Dhabi, UAE

1. 国際会議の概要

GLOBECOM (IEEE Global Communications Conference)は、通信分野の革新を目的としたIEEE Communication Societyにおける2第会議の1つであり、2018年はアブダビ のナショナルエキシビジョンセンター(ADNEC)にて、WorkShops 28セッションを含み、12月9日から12月13日の全5日間開催された。可視光通信の分野では、名古屋大学等日本の大学を含め、昨年のGLOBECOM参加者も多数見られ、まだまだ分野拡大の余地があることを感じられた。

2019年のGLOBECOMは12月9日から12月13日にアメリカのワイオミング州で開催される。

2. 研究テーマと討論内容



データ送信に光を使用する可視光通信(VLC: Visibe Light Communication)は、電波と干渉しない次世代の通信手法として注目される。特に、携帯電話やタブレットなどイメージセンサ(IS: Image Sensor)を内蔵するカメラデバイスの普及により、ISカメラをVLC受信機へ応用する研究がされる。受信機にISを使用する理由の1つは、カメラの持つ空間分離能力である。対象となる情報光源を関心領域として画像処理することで、背景光などの除去や、複数光源からの同時受信ができる。

IS型VLCが達成可能なデータ速度は、カメラのフレームレートで制限されるため、フレームレートとは別次元の変調フォーマットを調査することが望ましい。フレームレートの問題を克服する方法に、カメラの空間分離能力を利用した、光多入力多出力システムの利用が考えられる。

そこで本研究では、M点離散フーリエ変換(DFT: Discrete Fourier Transform)を用いた空間並列伝送システムを提案する。

$M$個のLEDを捕捉するピクセルに対応する輝度値から、DFTに関連してN = (M-1)/2個の正弦波を生成できる。カメラ受信機のフレームレートに制限されることなく、情報レートの増加が可能である空間並列伝送システムを実証実験により評価する。2000HzでPWM変調するLEDと2000fpsの高速度カメラを用いた並列伝送システムを構築した。異なるPSKの変調多値数Pおよび並列伝送数Mについて実証実験を行った結果から、レンズの絞りを制御することで、誤りなく受信できることを明らかにする。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

発表部屋は50個ほどの椅子が用意されており、私の前後の発表者を含め20人ほどが聴講していました。会場準備の都合で30分ほどセッション開始時間が遅れ、交代をクイックにと言われましたが、15分の発表時間と5分の質疑応答を確保していただきました。

国際会議に参加して、大学内では体験できないような刺激を受けました。例えば、国によって英語のイントネーションが違ったり、実際に発表した時に自分自身の英語を聞き取る能力が不足していることを実感しました。また、私の研究分野である可視光通信のセッションだけでなく、他の無線通信のセッションも聴講したことで、幅広い知識を得られました。国際会議へ参加したことで、研究への意欲と知識が増えました。

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