国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
原 伸行
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 物質系工学専攻)
会議名
Pure and Applied Chemistry International Conferenece 2019 (PACCON 2019)
期日
2019年2月7日~8日
開催地
Thai, Bangkok

1. 国際会議の概要

国際学会PACCON 2019 (Pure and Applied Chemistry International Conferenece 2019)は、2002年から毎年、タイのバンコクで開催され、今年度は2月7日から8日の二日間にわたり行われました。

本会議は、化学分野を中心に“Together for the Benefit of Mankind”という主題のもと、14セクションの研究発表が行われました。

参加者は、タイ、日本、韓国、シンガポール、中国などアジアを中心に、アメリカ、ニュージーランドと世界中の研究者が集い、合計で1,000名以上の参加者でした。発表件数はポスター発表254件、口頭発表175件の報告がありました。初日は、オープニングセレモニーから始まり、午前中にポスター発表と招待講演が、午後からはポスター、口頭発表がありました。

二日目は、午前中に、招待講演、口頭発表があり、午後からはポスター、口頭発表があり、最後に懇親会で締めくくられました。

Pacconのメイン会場

2. 研究テーマと討論内容

「Preparation of Circularly Polarized Luminophore Based on Axially Chiral Binaphthyl Unite」という題目で口頭発表を行いました。

口頭発表の風景

円偏光発光(CPL)とは、左回転する光・右回転する光と2種類が存在します。
アキラルもしくは、ラセミ体の発光体では、これら円偏光を出すことはできませんが、旋光性を示す光学活性な発光体を用いることで、CPLを出すことができます。
これらCPLは、省エネルギー型3次元(3D) ディスプレイ用光源、省エネルギー型液晶ディスプレイのバックライト、高度セキュリティー用タグ、植物成長制御用LEDライトなどに応用が期待されています。

本発表では、光学活性部として軸不斉ビナフチルを基軸に、6,6’位と4,4’位に電子ドナー基を導入した各2種類のπ電子拡張型有機発光体の創製を行い、それら円偏光発光(CPL) 特性について報告しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際学会での口頭発表は、初めての経験であり、その場に立ってこその緊張感を体験できました。日本語では、容易に質疑応答できていたことが、言語が変わるとこうも困難であるのか、文法を間違えれば、質問者の見解も異なり、いかに分かりやすく、自分の研究内容を説明できるか、定められた時間内での質疑応答だからこその経験ができました。
また、海外の先生方、学生の発表を見て、質疑に対する姿勢、活発さ、知識、経験が今の自分自身に欠けていると痛感しました。
発表を終え、海外の先生方から賞賛の声をかけていただいた時は、心からこの国際学会に参加でき良かったと感じました。

円偏光の分野は、ここ数年で大きな発展を遂げている分野です。本学会でも、数件の発表があり、大変勉強になりました。しかし、同じ分野を行っているからこその、追究心、向こう意気が一層強くなり、英語力はもちろん、これからもより精進していくと強く思いました。

最後になりますが、このような国際学会に参加することで、大変貴重な経験ができたのは、丸文財団の多大なるお力添えがあってのものです。厚く御礼申し上げます。

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