誓約協会
The 33rd European Conference on Surface Science (ECOSS33)は毎年ヨーロッパにおいて開催される表面科学に関する国際会議であり、33回目の今回はハンガリーのセゲドにて8月27日から9月1日の期間で開催された。ヨーロッパの研究者を中心に26ヶ国から約350人が参加し、表面物性について219件の口頭講演、100件のポスター講演が行われた。
次回は、デンマークのオーフスにて2018年8月26日から8月31日に開催予定である。
ECOSS会場
ポスター発表の様子
“Epitaxial Growth of Fullerene on the Organic Single Crystal”という題目でポスター講演を行った。
次世代のデバイスとして注目される有機半導体デバイスについて、その電子機能はpnヘテロ界面における電荷交換によって発現することから、この界面の接合構造を明らかにすることは重要な課題である。本研究では有機単結晶を基板として用いることで、従来の多結晶や非晶質の薄膜の基板ではできなかった高秩序な有機pnヘテロエピタキシャル界面を作製することに成功した。
講演では代表的なp型有機半導体材料であるペンタセンおよびルブレンの単結晶を基板とし、その表面に成膜したn型半導体材料C60の被覆層の結晶成長について放射光光源を用いた斜入射X線回折法によって調査した結果に基づき、界面を構成する材料分子の対称性や結晶系の違いと形成される界面構造との相関について報告した。
今回の会議では、自分の研究分野でもある有機半導体に関する講演も非常に多くあり、世界中で行われている最先端の研究について知見が得られ有意義な時間となりました。
また、自分自身のポスター講演やバンケットにおいては多くの学生、研究者と議論・交流することができ、今後の課題、他分野における研究など非常に参考になりました。しかしながら、自分の英語によるコミュニケーション能力不足を痛感しました。今回の経験を活かし、今後さらに精進していきたいと思います。
最後に、本国際会議に参加するにあたり、丸文財団からご支援をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。