国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成28年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
藤本 佳介
(名古屋工業大学大学院)
会議名
The 8th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference
期日
2016年12月4日~9日
開催地
ニュージーランド / オークランド

1. 国際会議の概要

オークランド工科大学にて

Asian Biological Inorganic Chemistry Conference(アジア生物無機化学シンポジウム)は、アジアを中心とした約15カ国から、生物無機化学を研究する研究者らが参加する学会である。2002年の設立から2年に1度の頻度で開催されており、第8回目となる本会議はニュージーランド、オークランド工科大学にて、12月4日から9日にかけて開催された。その間、10のテーマが設けられ、191件の講演および110件のポスター発表が行われた。

本会議では、アジア圏のみならず、米、英、仏、独などからの参加者も多数見受けられ、諸外国の研究者から的確な指摘やアドバイスを受けることができ、研究成果の更なる促進が見込める貴重な国際会議だと考えられる。

2. 研究テーマと討論内容

学会会場の様子

「N2 Functionalization with T-shaped Cobalt Complex Bearing Iminophosphorane Ligand」という題目でポスター発表を行った。小分子活性化において、窒素分子の活性化はその安定さ故に最も困難な反応の一つである。近年、遷移金属錯体を用いた窒素分子からアンモニアへの変換が活発に研究されている。遷移金属錯体は配位子と金属の組み合わせにより様々な性質を付与することができる化合物であり、分子触媒として広く用いられている。しかしながら、未だ工業的に利用できるほどの成果は得られておらず、更なる発展が求められている研究分野である。

本発表では、イミノホスホラン部位を有し、金属に対しての強い電子供与が期待できる配位子を用いた新規コバルト錯体の合成および窒素分子との反応性を検討し、触媒的なアンモニア合成反応への展開について報告した。
非常に多数の方が発表を聞きに来てくださり、自身の発表時間以外でも活発に議論をするなど有意義な時間を過ごすことができた。また、海外の著名な先生方にも多数アドバイスをいただき、今後の方針を考える上で非常に参考になった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

マオリ伝統舞踊:ハカ

今回が2回目の国際学会であったことや、非常に和やかな雰囲気の学会場であったため自信を持って発表することができ、発表時間の2時間があっという間に感じた。本研究集会を通して英語での発表に対する抵抗はかなり無くなったように思う。
学会以外では、様々なニュージーランドの文化にふれることができた。中でもニュージーランドの先住民であるマオリ族の伝統舞踊であるハカは圧巻の迫力で、貴重な経験となった。

最後になりましたが、本会議へ参加するにあたり多大なるご支援をしてくださいました、貴財団に心より感謝申し上げます。

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