採択率
Asia Communications and Photonics Conference (ACP) 2015が香港の香港コンベンション&エキシビジョンセンターにおいて11月19日~11月23日までの間、開催されました。本会議は、光通信・光エレクトロニクスデバイスに関する最新技術の研究報告が行われるアジア太平洋地域で最大の会議です。2001年から毎年行われており、OSA、SPIE、IEEE Photonics Societyが協賛となって行われています。
本会議への論文投稿件数は、604件であり、招待講演107件、チュートリアル9件、口頭発表284件、ポスター発表161件でした。また、採択率は口頭発表が47%、全体で74%でした。著名な研究者の発表が数多く行われ、非常に活気のある会議でした。
本会議において、私は「Noise Tolerance in Modulation Format Conversion from QPSK to BPSK Using Four-Wave-Mixing in Highly Nonlinear Fiber」という題目で口頭発表を行いました。
変調フォーマット変換は、将来のフォトニックネットワークにおいて、ゲートウェイノードや通信するパケット占有帯域の柔軟な制御によるスペクトルの有効利用を目的としたエラスティックネットワークの実現などにおいて有用となると考えられています。本研究では、四光波混合 (FWM) を用いたQPSK (Quadrature Phase Shift Keying) から2つのBPSK (Binary Phase Shift Keying) 系列へのフォーマット変換システムを提案し、計算機シミュレーションにより変換のノイズ耐性を評価しました。
口頭発表の様子
提案するフォーマット変換の変換特性評価は、オプティシステムという計算機シミュレーションソフトを用いて行いました。シミュレーション結果から、ポンプ光パワーを増加させると必要なOSNRは低減し、また低ポンプパワーにおいても高いOSNRによりエラーフリー動作が確認できました。さらに、WDM合波器入力における光信号パワーに対する誤り率 (BER) 特性からは、OSNRの値に対してそれぞれノイズフロアがあることが確認できました。
質疑応答では、計算機シミュレーション時の時系列長に関して質問され、現在検討中でしたので、今後も検討していきたいと考えています。
ACP 2015 では日本で聞くことのできない発表が数多くあり、この会議に参加したことでこれから研究をしていく上で参考になることがいくつも発見できました。国際会議での口頭発表は初めてだったので不安でいっぱいでしたが、最後まで乗り切ることができました。また、ポスターセッションでは、自分が行っている研究分野以外の研究を行っている他大学の方々とお話ができたのも貴重な体験となりました。さらに、アメリカのベル研究所のPeter J. Winzerのチュートリアル講演を聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
全体を通して、まだまだ英語でコミュニケーションをとることが難しく、自分の英語能力の低さを痛感しました。今後は会議をさらに有意義な時間にするために努力していきたいと考えています。
最後に、本会議の参加にあたり、多大なご支援をいただいた貴財団に心より感謝申し上げます。