国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成26年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
SATHIABAMA THIRUGNANA
(早稲田大学)
会議名
18th International Conference on Molecular Beam Epitaxy 2014
期日
2014年9月6日~12日
開催地
Flagstaff, Arizona, USA

1. 国際会議の概要

本会議は、International Conference of Molecular Beam Epitaxy (ICMBE)が2年に一度秋に開催されて、第1回は1978年にパリ(フランス)で開催され、第2回は1982年に東京で開催された。35年以上の長い歴史をもつ半導体分野における大事な国際会議である。この会議は、新たな材料やその新機能の新規構造の発見と開発についての報告や議論をする場である。分子線エピタキシー法(MBE法)についての進歩や進捗などの報告に関する重要な問題や新たな発見などが議論される主要な国際フォーラムでもある。また、この会議は基礎研究から応用関連まで幅広い視野を包含する。

今年は第18回で会場がFlagstaff (ARIZONA)のHigh Country Conference Centerという広い会議場で3会場に分かれ口頭発表が行われた。今回は450名程度が参加し、特別イベント(Meeting with MBE Pioneers)やInvited Talkに加え、一般の口頭発表やポスター発表が行われた。学会が6日間で参加者は主にアメリカ、日本、ドイツ、中国などからでした。その上、MBE法に関連する多社のブースもあってこれから研究をする若手にとってはネットワークを広げる場でもあった。

2. 研究テーマと討論内容

私は「Migration-Enhanced Epitaxial growth of CuGaSe2/CuInSe2 heterostructures and Its Single Quantum Well grown on GaAs (001)」の研究テーマについてポスター発表を行った。本研究はCGS/CISの材料系において、N型半導体をModulation Doping(超格子)によって初めての試みである。Band Alignmentからヘテロ界面がType IIであることが分かり、そして、GaAsに比べて井戸幅が8nmでも井戸が2倍以上に深いことが分かる。このことから電子の閉じ込め効果が発揮できる材料系で太陽電池などの応用に向いている。私はVG80HのMBE装置でサンプルをMEE成長して、その後、結晶構造や光学特性を調べた。また、成長中のRHEED解析を行った。この材料系のRHEED解析はあまり研究されていないためみんな興味深く聞いてくれた。そして、Photoluminescence測定において井戸になるCISの量子順位60meV形成が確認できたことをアピールした。そして、次の課題である超格子生成によりConduction Band Minimaを上げることとN型半導体を狙っている。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本学会は私にとって初めてのMBE学会で海外の研究者と多くのディスカッションを交わすことができた。一番印象に残ったことは初日に行われたMBEのPioneer達のお話だった。今まで、本やPaperなどを読み、名前を見てきた先生達と会うことが光栄でした。そして、先生達の話から“物理と物つくりの重ね合わせ”を実感した。

また、学会期間中、いわゆるスケジュールされていたExcursionに参加しSunset Crater Volcano (19km north of Flagstaff)とWupatki National Monument (53km north of Flagstaff)に行くことができた。そして、最後の日に世界遺産に登録されているGrand Canyonとコロラド川を見学した。ベテランのガイドさんに丁寧に説明していただき、とても勉強になった。天気も良くてGrand CanyonのPanoramic Sceneryはとても劇的でした。

最後に、このICMBE2014学会に参加することにあたり、多大なるご支援をいただきました一般財団法人丸文財団に心より感謝し御礼を申し上げます。

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