AIChE Annual Meetingにて (1)
AIChEは化学工学の学術的水準の進展を支え、人材の育成をし、それらの成果を全世界に還元することや、産・学・官の連携の促進、関連分野間の交流や発展を行うことなどを目的とした国際的な学会である。AIChEには100カ国以上の国からおよそ45,000人の研究者が学会員として参加している。
AIChE Annual MeetingはAIChEの主催で年1回行われる国際会議であり、化学工学に関連した7つの論文領域で構成され、600以上のセッションが開かれる非常に大規模な会議である。
研究テーマ : 化学プラントの運転データを活用した新規プロセス制御手法の開発
プロセス産業では製品の品質改善や生産性の向上が求められており、そのためには設定値変更や外乱に対して迅速かつ安定に制御を行わなければならない。現在プロセス制御にはPID制御やモデル予測制御が広く用いられているが、制御パラメーターの最適化には困難が伴うため、コントローラーの最適なチューニングがされないまま非効率的に運転されていることが多い。本研究では日常の運転データから得られる情報を利用してより効率的なプロセス制御を行うことを目的として、ソフトセンサーモデルとその逆解析を利用した制御手法であるinverse soft sensor-based feed forward and feedback制御法 (ISFB)を提案した。ISFBではプロセスの過去の運転データを用いて操作変数Uとプロセス変数Xを説明変数、制御変数yを目的変数としてソフトセンサーモデルを構築する。
構築したソフトセンサーモデルの逆解析を行うことでyの設定値変更を達成するための最適なUの操作方法を決定する。CSTRのシミュレーターを用いたケーススタディを行い、提案手法の有効性を確認した。
本会議では提案手法の説明とケーススタディの結果についてポスター発表を行った。
AIChE Annual Meetingにて (2)
2014 AIChE Annual Meetingではポスターセッションでの発表を行い、5人ほどの研究者・学生とディスカッションを行った。国際会議の出席は今回が初めてであり、ここまで長時間にわたって英語でコミュニケーションを行うことも初めてであった。英語で自分の意図を伝えられるか不安であったが、何人かに説明をするにつれて緊張もほぐれなんとかディスカッションを行うことができた。しかし自分の英語力のために話者の意図が理解できないことが多く、英語でのコミュニケーション能力不足を改めて痛感することとなった。
また本会議は非常に大規模であり、様々な研究領域の発表が行われた。初めて耳にした研究領域も多く、そのような領域の最新のトピックを知ることで自分の研究へのいい刺激にもなったと思う。