国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成26年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
平松 敏幸
(東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻)
会議名
16th International Power Electronics and Motion Control Conference and Exposition
期日
2014年9月21日~24日
開催地
Antalya, Turkey

1. 国際会議の概要


この度参加した国際会議 PEMC2014 は、パワーエレクトロニクスとモーションコントロールの分野に関する国際会議で隔年催されている。本会議は IEEE が主催する歴史ある国際学会で、著名な研究者を含め、多くの研究者が参加する。本会議の目的は、パワーエレクトロニクスとモーションコントロールを中心とした分野の研究に従事する研究者の交流とさらなるこの分野の発展である。前会議までは、EPE-PEMC として EPE (European Power Electronics and Drives) と共催であり、おもにヨーロッパおよび中東で開催される国際会議で、PEMC2014 は、トルコのアンタルヤで開催された。PEMC2014 では、500件近くの論文が投稿され、53%の論文が採択された。

本会議のプログラムは、招待講演や口頭発表、ポスター発表から構成され、ウェルカムパーティやパーティーディナーなど参加者同士の親睦を深める機会も多々設けられている。

次回開催は、2016年9月20日~22日にブルガリアで予定されており、様々な機会を通して参加者の募集が行われる。

2. 研究テーマと討論内容

近年、化石燃料の枯渇や地球温暖化などの問題から、高効率化が大変注目されており、その解決策の一つとして蓄電装置のエネルギーシステムへの応用がある。筆者は、特に電気自動車のエネルギーシステムを考えており、本会議では、バッテリとキャパシタのハイブリッド蓄電装置にワイヤレス給電による複数回給電を行うシステムを提案し、その容量比設計法について口頭発表を行った。

キャパシタとバッテリはそれぞれの欠点である低エネルギー密度と低パワー密度を補うことができるが、さらにワイヤレス電力伝送による高頻度な給電を行うことで航続距離の問題を解決できる。これら3つの要素をどのように組み合わせれば、優れたエネルギーシステムを実現できるかについて理論的な解析結果を行った。本発表の設計手法を用いれば、これまで試行錯誤的に求められていた容量を理論的に求めることができ、大変有益である。

30人程度の聴衆の前で行った口頭発表では、質疑応答の際にいくつか質問をいただき議論を行った。また、セッション終了後にも興味を持っていただいた方と議論を行った。多くのご意見をいただき、今後の研究に活かせる大変良い国際会議であった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際会議では、招待講演をはじめ多くの著名な研究者の方の発表を聞くことができ、議論することができた。とくに本会議は、パワーエレクトロニクスの分野で著名な研究者が多く参加しており、日々の研究で解決に困っている技術的な問題などについて、多くの解決方法を大変親切に教えていただいた。今後は、本会議でいただいた意見を活かし、より研究にまい進していきたい。発表の休憩時間には研究以外の文化的な内容についても意見交換を行い、私にとってとても良い経験となった。

また、発表の際には多くの聴衆の方々に自分の成果を発表し議論を行うことで、研究の考察や意義がより深まった。しかし、発表し議論できたことを幸せに思った一方で、国籍や文化の違う様々なバックグラウンドを持つ方々に自分の意見を伝えるむずかしさを実感した。これまで以上に聴衆のことを考えた発表と質疑に対する答えが必要であると感じ、今後も自分の意見を正確に伝えられるよう努力していきたい。

最後になりますが、このような実りある国際会議への出席をご支援いただいた丸文財団の皆様に深く感謝を申し上げます。今後も、今回の経験を活かしより良き社会の実現のために少しでも貢献できればと考えております。

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