国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成25年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
山田 晋也
(九州大学 大学院システム情報科学府)
会議名
2013 MRS Spring Meeting & Exhibit
期日
2013年4月1日~5日
開催地
アメリカ・サンフランシスコ・Moscone West Convention Center

1. 国際会議の概要

学会会場

本会議はMaterials Research Society (会員数:16,000人以上)によって開かれる世界最大規模の材料会議の一つである。本会議は毎年、春と秋にアメリカで開催される。材料に関する幅広い分野(半導体材料、金属材料、有機材料、エネルギー関係、バッテリー関係など)の国際学会ということで、様々な分野の研究者が多く参加している。また、国内外の企業も多く参加し、展示会を開催している。今大会では56のセッションに分かれ、各分野の最新技術や各研究者の最新成果が発表され、多くの議論が交わされていた。

2. 研究テーマと討論内容

本会議の『Nanostructured Semiconductors and Nanotechnology』というセッションにおいて、『A Strain-free Epitaxial Ge/metal/Si Vertical Structure with Atomically Smooth Heterointerfaces』というタイトルで口頭発表を行った。

近年、半導体業界では、従来の横型Si-MOSFETの微細化に依存しない「異種技術や異種材料との融合によるSi-LSIの高性能化」を目指した研究が活発に行われている。特に、Siよりも高いキャリア移動度を有するGeが代替チャネル材料としては有望視されている。当研究グループでは、金属ソース・ドレイン接合型の縦型GeチャネルMOSFETの高いポテンシャルと波及効果の大きさに着目し、同デバイスを実現するために必要不可欠な『金属/Ge/金属 on Si』縦型構造の創製を目指している。

本会議では、当研究グループが独自に考案した結晶成長技術を用いることで、金属の上に高品質Ge薄膜を原子層制御エピタキシャル成長することに世界で初めて成功したことを報告した。また、金属ソース・ドレイン接合型の縦型GeチャネルMOSFETの基礎構造となる『金属/Ge/金属 on Si』縦型構造を実証し、世界初の新しい縦型デバイス構造の実現したことを報告した。聴講者からは作製したGe薄膜の品質、Ge/金属接合界面の電気伝導特性に関する質問などを受け、発表内容に対して関心を持っていただけたのではないかと思う。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本会議での私の発表内容は、私が発表したセッションの中では少し突飛な内容のものであったが、聴講者は興味を持って聞いて下さり、コメント等をいただけたのは私にとって非常に励みになった。また、本会議を通して、関連分野の最新のトピックや今後の研究につながる興味深い話を聞くことができ、本学会への出席は非常に実りのあるものとなった。

末筆ながら、今回の国際会議参加にあたり、貴財団から多大な支援をいただきましたこと心より感謝いたします。

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