
2026 MRS Spring Meeting & Exhibit は、Materials Research Society(MRS)が主催する材料科学分野における世界最大級の国際会議であり、2026年4月26日から5月1日にかけて、米国ハワイ州ホノルルにて開催された。本会議では、半導体、ナノ材料、光学・フォトニクス、量子材料、エネルギー材料など、幅広い分野に関する最新の研究成果が報告された。会場は Sheraton Waikiki Beach Resort や Hilton Hawaiian Village など複数の施設に分かれており、世界各国から大学・研究機関・企業の研究者が多数参加していた。
本会議では、口頭発表・ポスター発表に加えて、企業展示やチュートリアル、プレナリー講演なども行われ、学術交流だけでなく産業界との交流の場としても非常に活発であった。展示会場では、測定機器、半導体プロセス装置、材料評価技術などに関する最先端技術が紹介されており、研究動向や実用化技術について直接学ぶことができた。
次回の2026 MRS Fall Meetingは、2026年12月に米国ボストンで開催予定である。
本国際会議では、“Volume Density and Structural Arrangement on Reflectance Reduction at 300 GHz” というタイトルでポスター発表を行った。本研究では、300 GHz帯における反射低減を目的として、シリコンナノワイヤ(SiNW)構造の体積密度や構造配置が反射特性に与える影響について検討を行った。近年、6G通信などの次世代高速通信技術に向けてテラヘルツ波利用への期待が高まっている一方、高周波帯では反射損失の増加が課題となっている。そこで本研究では、SiNW構造を用いた反射低減技術に着目し、構造パラメータによる反射率変化を実験的に評価した。
発表では、異なる体積密度条件や構造配置条件における反射率測定結果を示し、反射低減特性との関係について議論を行った。また、SiNW形成条件や構造ばらつきの影響、今後の構造最適化の可能性についても説明した。質疑応答では、海外研究者から構造均一性やテラヘルツ帯での応用可能性について質問を受け、測定原理や構造形成条件について議論を行った。英語による研究説明や討論を通して、自身の研究内容を国際的な場で発信する貴重な経験を得ることができた。
今回の国際会議参加を通して、研究面だけでなく、英語によるコミュニケーション能力や国際交流の重要性について多くの学びを得ることができた。これまで国内学会での発表経験はあったものの、海外国際会議でのポスター発表は初めてであり、世界各国の研究者に対して英語で研究説明を行う経験は非常に刺激的であった。特に、海外研究者との質疑応答では、研究内容だけでなく研究背景や応用可能性についても議論することができ、自身の研究をより広い視点で見直すきっかけとなった。
また、企業展示や他分野のセッションにも積極的に参加し、半導体・フォトニクス・材料分野における最新技術や研究動向について理解を深めることができた。普段自身が扱っている研究テーマ以外にも、量子材料やAI活用材料開発など幅広い分野の研究発表を聴講したことで、新たな研究アイデアや今後の研究展開について多くの刺激を受けた。
今回のMRS参加を通して、国際学会において研究成果を発信することの重要性を強く実感した。今後は、今回得られた経験を研究活動に活かし、より高いレベルで研究成果を発信できるよう努めていきたい。最後に、本国際会議参加に際し多大なるご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

