国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
太田 朋代
(宇都宮大学 地域創生科学研究科 工農総合科学専攻)
会議名
SPIE Photonics West
期日
2026年1月17日~22日
開催地
San Francisco, California, USA

1. 国際会議の概要

SPIE Photonics West 2026は、光学・フォトニクス分野における世界最大規模の国際会議です。米国サンフランシスコのモスコーニ・センターを会場として開催され、100以上の技術カンファレンスにおいて4,500件を超える研究発表が行われました。本会議は、バイオメディカルオプティクス、バイオフォトニクス、産業用レーザー、量子応用、オプトエレクトロニクス、マイクロファブリケーション、ディスプレイ、AR・VR・MRなど、現代の最先端技術を牽引する広範な領域で構成されています。本年度からは、急速に進化するインテリジェントイメージングとセンシングを対象とした「Vision Tech Forum」が新設されるなど、常に最新の学術・技術動向を反映しています。また、1,500社以上が出展する大規模な展示会が併設され、基礎研究から産業応用まで、実社会への実装を意識した活発な議論の場となっています。次回のPhotonics West 2027は、2027年1月30日から2月4日にかけて同地で開催される予定です。


会場

SPIEロゴ

2. 研究テーマと討論内容

「Wedge Prism Array Design for a Glasses-free Multi-view Holographic Combiner」というタイトルで口頭発表を行いました。近年、エンターテインメントから医療、教育に至る広範な分野で3次元仮想空間の活用が進んでおり、直感的な情報共有を可能にする3Dディスプレイへのニーズが高まっています。しかし、現在広く用いられている裸眼立体視方式であるパララックスバリア方式やレンチキュラ方式は、解像度の低下や観察位置の制限という課題があります。本研究では、これらを克服するために体積ホログラフィック光学素子を用いたホログラフィックスクリーンを提案し、特に観察者の瞳孔間距離に合わせて適切に光線を制御するためのウェッジプリズムアレイの設計・作製に焦点を当てました。プロジェクターの光は、体積ホログラフィック光学素子に対して斜めに入射する配置のため、ホログラフィックスクリーン上の各画像において入射角の非対称性が生じます。そのため、各画像が透過するプリズムのウェッジ角を個別に設計し、観察者の瞳孔間距離に適合した光線制御を実現するプリズムアレイを設計しました。作製したウェッジプリズムアレイとホログラフィックスクリーンを組み合わせた投影光学系を用いた実験では、観察者の瞳孔間距離に合わせて回折像の提示位置を制御することに成功しました。その結果、4つの独立した回折像による多視点での両眼視差成立を確認しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

世界最大規模の会場と参加者数に圧倒されましたが、広大な展示ブースで自身の研究の応用先として検討している最新のARグラスを直接調査できたことは、有益な経験となりました。英語の口頭発表では、自身の考えを英語で正確に表現することの難しさを改めて認識しましたが、不完全な言語表現であっても熱意を持って議論に臨むことの重要性を学びました。この経験は、単なる語学力の向上以上に、未知の環境に飛び込み国際的な交流を深めようとする前向きな姿勢を養うことができました。

最後となりますが、本国際会議への参加にあたり、多大なるご支援をいただきました貴財団に、厚く御礼申し上げます。

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