国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
伊藤 万葉
(電気通信大学)
会議名
SPIE Photonics West
期日
2026年1月17日~22日
開催地
San Francisco, California, USA

1. 国際会議の概要


会場のThe Moscone Center

Photonics West 2026はSPIE (The International Society for Optical Engineering) が主催する光学・フォトニクスに関連する世界最大規模の国際会議であり、2026年の1月17日から1月22日にかけて、米国サンフランシスコのThe Moscone Centerで開催された。

40か国から23,000人以上が参加し、本会議ではBiOS(バイオフォトニクス)、LASE(レーザー技術)、OPTO(光エレクトロニクス)、Quantum West(量子光学)、AR|VR|MR、Vision Tech(画像・センシング関連技術)の分野にわたり、4,200件以上の研究発表が行われ、最新の研究成果が報告された。また、研究発表だけでなく企業展示も非常に活発であり、約1,600社が出展し、大変盛況であった。

次回の本会議Photonics West 2027は2027年1月30日~2月4日に開催予定である。

2. 研究テーマと討論内容

“Broadband and high-speed dual-comb spectroscopy with tailored repetition frequency-modulated combs”というタイトルで、1月19日にLASE内の“Frontiers in Ultrafast Optics: Biomedical, Scientific, and Industrial Applications XXVII”という会議におけるオーラルセッションにて発表を行った。

デュアルコム分光法は、繰り返し周波数(frep)がΔfrepだけ異なる2台の光コムを干渉させることで、機械的な掃引機構を用いずに時間領域の干渉信号を取得し、それをフーリエ変換することで、RF領域に変換された光周波数情報を得る分光技術である。広帯域・高分解能・高速性を兼ね備えた分光法として注目されている一方で、高速化を図ると同時に測定可能な光波長域が狭くなるという制約がある。


発表の様子

そこで本研究では、測定目的に応じて設計した繰り返し周波数変調を光コムに導入することで、従来のΔfrepを一定に制御した動作では両立が難しかった広帯域性と高速性の両立に成功した。発表では、本手法により、従来法では実現が難しかった広帯域光スペクトルの高速測定を実証した結果を報告し、繰り返し周波数変調を用いることで、デュアルコム分光法の柔軟な測定設計が可能となることを示した。質疑応答では、制御方法に加え、繰り返し周波数変調を導入した際のスペクトル形状への影響や、変調速度をどの程度まで高められるかなどについて質問をいただき、有意義な議論を行うことができた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際学会は日本開催でのポスター発表のみの経験しかなく、今回が初めての海外開催の国際会議での口頭発表であった。そのため、発表準備を入念に行い、本番では緊張しながらも自身の研究成果を英語で伝えることができた。特に、不安の大きかった質疑応答にも対応することができたことは、自分にとって大きな自信につながった。また、この経験を通して、英語での口頭発表の技術やプレゼンテーションの進め方について多くを学ぶことができた。

今回参加したPhotonics Westは、世界各地から研究者や企業関係者が集まる大規模な国際会議であり、多くの刺激を受けた。日本人以外の学生や研究者の口頭発表を直接聴講し、研究内容そのものだけでなく、説明の仕方や質疑応答への対応についても学ぶ点が多かった。自分とは異なる発表スタイルに触れたことで、今後の発表に活かしたい視点を得ることができた。

企業展示では、実験に使用している光学素子や測定機器などを扱う企業の担当者と直接話すことで、関連技術や最新製品への理解を深めることができた。また、自身の研究に直結する分野だけでなく、普段はあまり見ない分野の展示も積極的に見て回ったことで、新しい測定系や応用の可能性について考えるきっかけを得た。

今回の国際会議参加を通して、研究面だけでなく、英語での発表・議論、国際的な研究交流の面でも多くの学びを得ることができた。今回得た経験を今後の研究活動に活かし、幅広い視点を持ちながら研究を進めるとともに、国際的な場でもより的確に研究成果を発信できるよう努めていきたい。

最後に、多大なるご援助を賜りました貴財団に心より厚く御礼申し上げます。



企業展示の様子

令和7年度 国際交流助成受領者一覧に戻る

ページの先頭へ