国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
福井 悠介
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻)
会議名
SPIE Photonics West
期日
2026年1月17日~22日
開催地
San Francisco, California, USA

1. 国際会議の概要


会場の様子

SPIE Photonics West 2026 は、光学およびフォトニクス分野における世界最大級の国際会議であり、米国カリフォルニア州サンフランシスコにて開催された。毎年、世界各国から多数の研究者、技術者、企業関係者が参加し、レーザー技術、バイオフォトニクス、光学設計、光通信、量子技術など幅広い分野に関する最新の研究成果が発表される。

本会議は、BiOS、LASE、OPTO、Quantum West など複数の専門分野会議から構成されており、基礎研究から産業応用まで多岐にわたる議論が行われる点が特徴である。加えて、大規模な展示会も併設され、最先端の光学機器やレーザー装置、関連技術が紹介されるため、学術的交流のみならず産業界との連携促進の場としても重要な役割を果たしている。

本会議を通じて、世界の研究動向を把握するとともに、国際的な研究交流の促進が図られた。

2. 研究テーマと討論内容


ポスター発表の様子

私は「Effects of focused spot variation on surface enhancement in laser peening」という題目で1月20日にポスター発表を行った。レーザーピーニングとは、高強度パルスレーザーを水中で金属表面に照射してプラズマを生成し、その急激な膨張が水によって拘束されることで高圧が発生し、そこから生じた衝撃波が金属内部へ伝播して塑性変形を引き起こし、圧縮残留応力を導入する表面改質技術である。これにより、疲労強度の向上やき裂進展の抑制、応力腐食割れの防止といった効果が得られるため、航空機や原子力発電所など、高い信頼性と耐久性が求められる分野で活用されている。

一方で、本技術は高出力レーザー装置を必要とするためコストが高く、エネルギー利用効率の最適化が課題となっている。そこで本研究では、より効果的な照射方法を探ることを目的に集光スポット形状に着目した。空間光位相変調器(LCOS-SLM)を用いてレーザービームの集光スポット形状を制御し、円形、楕円形、正方形、分割スポットを生成してレーザーピーニングを施し、表面改質効果を比較評価した。

発表では、レーザーピーニングの原理や応用可能性に関する質問が多く寄せられたほか、LCOS-SLMによる位相制御の仕組みや各種スポット形状の生成方法についても活発な議論が行われた。参加者の反応から、LCOS-SLMによるスポット形状制御をレーザーピーニングへ応用した点が興味深い技術として受け止められていることを実感し、本研究の新規性を改めて認識することができた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

ポスター発表では、研究背景や目的を簡潔に説明することの重要性を改めて認識するとともに、英語で専門的内容を論理的に伝える難しさを実感した。特に、質問の意図を正確に理解し、適切に回答することに苦労したが、事前に想定される質問を整理し準備していたことが大きな支えとなり、落ち着いて議論を進めることができた。また、想定外の視点からの質問もあり、自身の研究を多角的に捉える必要性を強く感じた。本経験は、国際的な場で研究を発信する上での課題と成長を実感する貴重な機会となった。

また、併設された展示会や他の研究者による発表を聴講したことで、世界各国で進められている最先端研究に触れることができた。多様な視点やアプローチに触れることで、自身の研究をより広い視野で捉える必要性を実感し、今後の研究活動への大きな刺激となった。

最後に、本国際会議への参加にあたり多大なるご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

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