国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
髙橋 佑輔
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻)
会議名
The 38th annual International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics 2019 (ICALEO2019)
期日
2019年10月7日~10日
開催地
Rosen Centre Hotel (Orlando, FL USA)

1. 国際会議の概要

The 38th annual International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics 2019 (ICALEO2019) は、LIA (米国レーザー協会) の主催により年1回開催されるレーザー加工分野で世界最大級の国際会議である。今年も米国フロリダ州のオーランドにあるRosen Centre Hotel (ローゼンセンターホテル) にて4日間にわたり開催された。

レーザー加工に関する興味深い講演が多数あり、今年は昨年に比べて講演件数が増加していた。講演内容としては、アルミニウム、鉄およびガラスの溶接、ナノ周期構造だけでなく、今年のノーベル化学賞でも話題となった電池に関する講演も見られた。

来年は米国のシカゴで開催される予定である。

会場のRosen Centre Hotel

会場の様子

2. 研究テーマと討論内容

今回、“Development of all- fiber coherent beam combining optical system toward higher output of fiber laser”という題目でポスター発表を行った。

ポスター発表の様子

私の研究内容は、コヒーレントビーム結合技術による加工用レーザー光源のプリアンプとして利用可能な全ファイバ型光増幅システムの開発が目的である。加工用レーザー光源の高出力化には、パワーアンプにて高い利得を得るための低雑音なプリアンプが不可欠である。そのため本研究では、この条件を満たすコヒーレントビーム結合光学系を用いた光増幅システムの開発を検討した。コヒーレントビーム結合とは、単一のパルス光を複数の光路に分波し各光路において増幅した後に位相を揃え、再び単一のパルス光に合波する技術である。この光学系は同一の光源から発せられたパルス光は加算されるが、個別の増幅器から発せられた雑音光は加算されない特徴を有する。したがって、最終的な出力は信号光出力の約2倍に増加し、雑音光の発生量は増幅器1台分相当となるため、単体の増幅器を利用して増幅するときに比べて利得と雑音指数の双方を改善することができた。

本発表では主に2つの質問をいただいた。1つ目は光学系の温度制御に関する質問、2つ目は光学系に用いたデバイスの諸特性に関する質問であった。本研究におけるシステムの特徴だけでなく使用しているデバイスにも興味を持っていただき、分野の異なる方にも興味を持っていただけたと感じた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

レーザー加工分野において世界最大級の国際会議で発表を行うことができたことは自身にとって良い経験となり、非常に有意義な時間を過ごすことができた。自身のポスター発表では、研究内容や本研究で一番伝えたいことを話すことはできたが、緊張のため、質問者の意図を深く理解できないこともあった。しかし、拙い英語ながらも自身の研究内容とは異なる分野の方にも興味を持っていただいたこと、さらに多くの方と議論を交わすことができたことに充実感を感じた。

この度の国際会議参加にあたり、貴財団には多大な御支援をいただきました。
心より御礼申し上げます。

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