丸文財団設立20周年を記念して、「イノベーション」をテーマとしたシンポジウムを開催しました。
当財団理事であり、選考委員長の榊先生の“20周年を迎えて”の感謝と新たな決意をこめた挨拶に続き、応用物理学会副会長・財満鎭明氏から祝辞をいただきました。
引き続き行われた講演会では、丸文財団ゆかりの天野先生、香取先生をはじめ、学術・産業界で活躍する方々を講演者として迎え、イノベーション創出のために何がキーとなるか、どのようなことをなすべきかなど、子ども時代の環境や、現在に至るまでの道のりなども含め、研究への取り組みを時に熱く、時にユーモアを交えながら語っていただきました。
新たなイノベーションを生み出すヒントとなる、大変興味深い、有意義な話に、参加者も熱心に耳を傾けていました。
天野 浩 名古屋大学 教授
(平成12年度 丸文学術賞 受賞)
「青色LEDに見るイノベーション創出の経緯と
研究者の志向の重要性」
城戸 淳二 山形大学 教授
「イノベーションの生み出し方教えます」
出雲 充 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長
「僕はミドリムシで世界を救うことに
決めました。」
香取 秀俊 東京大学 教授
(平成12年度 丸文研究奨励賞 受賞)
「18桁の精度が創出するイノベーションの
将来予測」
鈴木 寛 東京大学・慶應義塾大学 教授、
大阪大学招聘教授
「日本のイノベーション創出戦略」
パネルディスカッションでは、講演者5名に、丸文倶楽部会長の大阪大学理事・副学長・小川先生も加わり、活発な意見交換がなされました。
各パネリストに、イノベーション創出に成功した要因を性格、環境、運などの切り口で分析していただいたり、イノベーションの成功事例とパターンとして、「0から1の創造」「イノベーション・ソムリエ」「大ブレークのきっかけ」の3つの局面をキムラヤのアンパンを例に青色LED、有機ELの白色化、ユーグレナの量産技術、光格子時計を取り上げて意見を交わしたりなど、非常にユニークな進行で分かりやすい議論に、研究者、学生のみならず、一般の参加者も引き込まれていました。
モデレーター: | 森 勇介 一般財団法人丸文財団 選考委員/大阪大学 教授(平成15年度 丸文学術賞 受賞) 関谷 毅 大阪大学 教授(平成26年度 丸文研究奨励賞 受賞) |
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パネリスト: | 小川 哲生 丸文倶楽部 会長/大阪大学理事・副学長(平成15年度 丸文研究奨励賞 受賞) 天野 浩、出雲 充、香取 秀俊、城戸 淳二、鈴木 寛 |
モデレーター:(左から)関谷、森
パネリスト:(左から)天野、出雲、香取、
城戸、鈴木、小川
総合司会:平本 俊郎
一般財団法人丸文財団 選考委員/東京大学 教授
(平成11年度 丸文研究奨励賞 受賞)
閉会挨拶 小川 哲生
講演会、パネルディスカッションとも、大勢の方に参加していただき、20周年にふさわしいイベントとなりました。
最後は、20周年記念シンポジウムが盛会となりましたことに感謝を述べるとともに、丸文財団のさらなる支援活動を表明する小川先生の閉会挨拶で幕を閉じました。