Opening Words and Introduction of ICALEO
Conference Chairs
ICALEO (International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics) はLIA (米国レーザー協会) の主催により年1回開催されるレーザー加工分野で世界最大級の国際会議である。第32回目となる本年は、10月6日から10月10日までの5日間にわたり、米国フロリダ州のマイアミで開催された。
レーザー加工に関する興味深い講演が多数件あり、また3DプリンタやCFRPなど近年注目されている技術に関する講演も充実していた。
2014年は10月19日から10月23日までサンディエゴで開催される予定である。
本会議のポスターセッションにおいて“Development of the Variable Pulsewidth Mode-Locked Femtosecond Laser Using Coherent Coupling”というテーマで発表を行った。
レーザー微細加工に於いて、フェムト秒領域のパルス幅を持つ超短パルスを用いることで精密に加工ができる。しかし、フェムト秒パルスでは1パルス毎のエネルギーを大きくすることが難しく、大きなエネルギーを用いる加工はフェムト秒よりもパルス幅の広いピコ秒パルスが効率よく行える。従来、パルス幅を広げるには光バンドパスフィルタを用いて周波数幅を制限することによりパルス幅を広げていた。しかし、その手法ではパルス幅の調整は行えず、光バンドパスフィルタによって得られるパルス幅が決定されていた。
本研究では、位相結合 (Coherent Coupling) を応用してパルス幅可変レーザーを開発した。
発表の様子
位相結合とは複数のレーザーを単一の光波に統合することで効率よく光強度を増加させる技術である。位相結合後のレーザー縦モードは各単体レーザーの縦モードが重なる周波数にのみ発振する。そのことを応用し、2台のレーザーを位相結合させる際、片側の縦モード間隔をわずかにずらすことにより、位相結合後に発振できる縦モードの本数を制限し、周波数のスペクトル幅を狭め、パルス幅を変更する。
具体的には、片側のレーザー共振器にコーナーキューブミラーを設け、共振器長を制御する。これにより、共振器長に依存する縦モード間隔を調整することができるため、パルス幅の可変を実現した。
以上の内容を本会議で報告した。新しい便利な種光源として沢山の方に興味を持っていただけたと思う。
ポスタープレゼンテーション 第3位受賞
本会議に於いて、沢山のレーザー加工に関する講演を聴くことで、最先端の研究動向を知るだけでなく、我々の開発したレーザーのアプリケーションを考える良い機会となり非常に有意義な経験をした。
ポスターセッションでは我々の研究はレーザー加工に用いる新たな光源として評価され、ポスタープレゼンテーションで第3位を受賞した。本会議はレーザー加工の国際会議であるにも関わらず我々の装置開発の研究が受賞できたことは大変光栄であった。
最後に、今回の国際学会に参加するためのご支援をいただいた一般財団法人丸文財団に心より感謝いたします。