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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
朱 慧娥
(東北大学)
会議名 The 13th international symposium on polymer physics (PP' 2018)
期日 2018年6月11日〜15日
開催地 中国・西安
1.国際会議の概要
≪poster会場の様子≫

The 13th international symposium on polymer physics (PP'2018) は、中国の高分子物理学の創始者であるRenyuan Qian教授とLianghe Shi教授(中国)、Shaw-ling Hsu教授(米国)と小林雅通教授(日本)の共催により、1993年に初めて開催された。それ以来、このシンポジウムは2年に一度開催されており、現在は高分子分野で重要な国際会議である。 最近の3回のシンポジウム「PP'2012(成都)、PP'2014(南京)、PP'2016(貴陽)」では、約400人の高分子科学者が世界から集まり、知識を交換し、高分子物理学の最近の進展について議論した。今回の会議は西安にあるXian Qujiang Hotelにおいて6月11日から15日まで開催された。世界から有名な高分子科学研究者が集まり、高分子物理分野の基礎研究から応用に至るまで幅広い研究内容について活発な議論が行われた。

2.研究テーマと討論内容

今回、「Amphiphilic cyclosiloxane supramolecules as versatile building blocks for hierarchical self-assemblies」というタイトルで口頭発表を行った。

近年、超撥水性表面は油水分離および自己洗浄などの多くの用途に注目されている。新しい超撥水性表面を設計するには2つの決定的な要因がある。まず、表面エネルギーの低い材料を選択し、次にエアポケットを有するナノマイクロ構造を持つ粗い表面である。しかし、多くの超撥水性表面は、環境負荷物質とする低表面エネルギーのフッ素化材料を利用し、またはフォトリソグラフィーのような複雑なプロセスに基づいて微細構造およびナノ構造を製造することで作製されている。本研究では、界面における自己組織化からミクロ構造を形成し、環境にやさしい両親媒性超分子有機材料から超撥水性表面作製することを発想した。まず、4つの反応点を有する環状シロキサンは常温常圧で液状の化合物であるが、この反応部位にフッ素を含まないアルキル長鎖を導入し、従来、柔軟で構造をもたない化合物として知られているシロキサン化合物のナノ構造制御を達成した。一つの分子内に水素結合とファンデルワールス相互作用を主たる集合的な二次分子間相互作用として利用し、エタノール(貧溶媒)/クロロホルム(良溶媒)混合溶液のような二成分液体中に溶解させ、簡単なドロップキャスティング手法で様々なミクロ構造(例、ウニ構造、花構造など)が得られた。特に、表面形状の変化による疎水性から超撥水性表面の濡れ性の制御を成功した。これらの結果より、フッ素化または複雑な製造プロセスに頼らない環境に優しい超撥水性コーティングの開発の可能性が示唆された。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)
≪懇親会の様子≫

当日口頭発表した際には、様々な研究者の方々に興味をもっていただき、有意義な議論を行うことができた。また、高分子研究分野で非常に有名な研究者の方々と触れ合えることができた。例えば、University of Massachusetts AmherstのThomas Russell教授「Realizing 5.4 nm full pitch lamellar microdomains by a solid-state transfromation」や中部大学の澤本光男先生「Precision functional polymers by precision polymerization: design, physical properties and functions」の招待講演を聴講し、機能性高分子の合成や高分子物理学の研究の現状と今後の発展について重要な情報を得た。

最後に、本国際会議に参加するにあたり多大なるご支援をいただきました丸文財団にはこの場を借りて深くお礼申し上げます。

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