国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
渡部 翔
(新潟大学 大学院自然科学研究科)
会議名
7th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-7)
期日
2018年6月10日~15日
開催地
Hawaii, USA

1. 国際会議の概要

会場(ヒルトンワイコロアビレッジ)

太陽光発電国際会議は(WCPEC)は、米国(IEEE PVSC)、欧州(EU-PVSEC)、アジア・太平洋(PVSEC)地域で開催する国際会議が合同企画し運営される、世界最大の太陽電池学会である。7回目となる本学会は、ハワイ島ワイコロアにおいて2018年6月10日~15日の日程で開催され、60カ国、600の研究機関から1,200人以上が参加した。

口頭発表とポスター発表に分かれ、太陽電池のデバイス、材料、システム、運用などについて基礎研究から応用まで幅広い議論が行われた。各分野のトップグループも多く参加していることから、学生や若手の研究者を中心に、新しい知識の習得や情報の共有、協力関係の強化なども積極的に行われた。

2. 研究テーマと討論内容

発表の様子

本学会のペロブスカイト太陽電池と有機太陽電池分野にて、「Developmentof perovskite solar cell using graphene as a hole transport layer and a blocking layer against the atmosphere」という題目で、ポスター発表を行った。ペロブスカイト太陽電池は、光を電力に変換する効率が高く、さらに安価で容易な作製プロセスであるといった利点がある。しかし、大気中での安定性が低く、実用化へ向けての課題となっている。そこで、私たちは炭素材料であるグラフェンを太陽電池に導入することで、その欠点を改善することを目指した。これまでに、グラフェンを用いたペロブスカイト太陽電池の作製に成功し、典型的な電池より高い安定性を示すことができた。

90分間のポスターセッションで多くの方とディスカッションを行うことができた。グラフェンという新規材料を導入する利点やその作製方法についての関心が高かった。また、性能向上や今後の展開について、太陽電池の構造や評価方法などのアドバイスをいただくことができ、大変参考になった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

初めての海外での発表と世界最大気規模の太陽電池学会であるため、とても緊張したが、自分の成果を精一杯主張できたと思う。質疑応答を通して、自分の研究の優れている点や不足しているところを明確にでき、今後の研究のモチベーションアップに繋げることができた。また、他のグループの発表を聴講することで、自分のテーマの最新の動向を知ることができ、参考になった。発表以外でも、食事などで日本人以外の研究者とも交流をすることができた。研究のディスカッションはもちろんのこと、様々な国の文化についても話すことができ、貴重な経験となった。一方、今回の学会を通して自分の英語力が不足していることを実感した。今後、さらに研究を進めていくために英語力を鍛えたいと思う。

最後に、本国際会議への参加にあたり多大なるご援助を賜りました丸文財団に心より感謝申し上げます。

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