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表彰・助成事業のご紹介

国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
重田 翼
(東京大学 理学系研究科 化学専攻)
会議名 19th International Symposium on Small Particles and Inorganic Clusters (ISSPIC19)
期日 2018年8月12日〜17日
開催地 Hangzhou, China
1.国際会議の概要
≪発表会場 (Hangzhou International
Conference Center) の様子≫

19th International Symposium on Small Particles and Inorganic Clusters (ISSPIC19)は、原子・分子クラスター、ナノ粒子、ナノ構造体に関する研究について、最新の動向やトピックスを議論する国際学会です。第一回大会の開催は1976年と歴史は古く、ナノサイエンス分野の国際学会として、世界最大規模を誇っています。第4回大会以降は隔年で開催されており、19回目となる今年は、Lai-Sheng Wang先生、Min Han先生の主催のもと、中国・杭州での開催となりました。8月13日から8月17日までの会期中、22件の招待講演、38件の口頭発表、149件のポスター発表が執り行われました。

次回大会ISSPIC20は、Robert L. Whetten先生、Miguel Jose-Yacaman先生の主催のもと、2020年10月にアメリカ・サンアントニオで開催予定です。

2.研究テーマと討論内容

「An Au25(SR)18 cluster with a face-centered cubic gold core: synthesis and characterization」というタイトルでポスター発表を行いました。

≪ポスター発表の様子≫

代表的なチオラート (RS)保護金クラスターであるAu25(SR)18は、RSの種類によらず、正二十面体型の金コアを持つことが知られています。これに対して、所属研究室では、N-2-(メルカプトプロピオニル)グリシン (PGSH)を配位子に用いたAu25(SPG)18は異なる形の金コアを持つことを示唆する結果を報告しています。本研究では、紫外可視吸収分光、X線吸収微細構造 (XAFS)から、Au25(SPG)18が面心立方型の金コアを持つことを明らかにしました。また、密度汎関数理論計算を利用し、Au25(SPG)18のモデル構造を構築しました。

XAFSを用いた金クラスターの構造評価について、興味を持っていただきました。データの解析、解釈だけでなく、測定の手法についても質問をいただき、議論を行いました。また、解析の定量性やモデルの妥当性などについても、指摘をいただきました。いただいた指摘を参考に、データを増やし、より詳細な解析を行なっていきたいと思います。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

ナノサイエンス、クラスターサイエンスを主題に、分光、プラズモニクス、気相反応、触媒、精密無機合成、理論計算、磁性、電池などの多種多様な分野について、最新の研究を聞くことができました。分野を問わず、基礎研究に重きをおいた発表がほとんどでした。また、多くの発表者が、ホウ素クラスターやホウ素のナノ構造体を研究対象として取り上げていたのが印象的でした。

自分のポスター発表では、同じ分野の研究者だけでなく、気相クラスターやナノ構造体などの周辺分野の研究者の方にも発表を聴いていただきました。しかしながら、発表内容について、うまく伝えきれない部分がありました。聴衆に応じて、導入や説明の仕方を柔軟に変える必要性があると強く感じました。

バンケットや食事、観光の際、海外の方達と積極的にコミュニケーションを図ることができました。中国の学生だけでなく、スイスやフィンランドなどの学生とも交流を深めることができました。また、英語での日常会話に慣れることで、質疑応答がスムーズに行えるようになったと感じました。

ISSPIC19に参加することで、関連分野について最新の研究のトレンドを知るだけでなく、自らの研究を広く発信することができました。また、海外の研究者の方達との親交を深めることもできました。非常に実りの多い学会であったと思います。

最後になりますが、今回のISSPIC19の参加に際し、渡航費、宿泊費の援助をいただいた貴財団に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

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