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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
伊藤 隆浩
(大阪府立大学 大学院工学研究科 電子・数物系専攻)
会議名 Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO-PR 2018)
期日 2018年7月29日〜8月3日
開催地 Convention and Exhibition Centre, Hong Kong
1.国際会議の概要

Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics 2018 (CLEO-PR 2018) は環太平洋地域にて隔年で開催されるレーザーと電気光学分野の国際学会である。1995年の第1回講演以来奇数年に開催されていたが、今回の第13回講演より偶数年開催に変更された。
この会議は、チュートリアルセッション、招待講演会、ワークショップで構成されている。

今回は香港の香港コンベンション&エキシビションセンターで開催され、環太平洋地域を中心とした電気光学研究者により白熱した議論が交わされた。

次回は2020年8月2日から6日までオーストラリア・シドニーの国際コンベンションセンターで開催される。

≪学会会場からの風景≫ ≪学会会場の様子≫
2.研究テーマと討論内容

本会議において“Nondetrimental Surface Modification of Ultrahigh-Q Photonic Crystal Silicon Nanocavities”という題目で15分間の口頭発表を行った。

フォトニック結晶高Q値ナノ共振器は、革新的デバイス創生が期待され、多数の誘電体媒質において研究されてきた。この分野で、近年、大きな注目を集めているのが、ナノ粒子、ナノカーボン、原子層状物質など、ナノ材料をナノ共振器に付加して新機能を創出する試みである。我々の研究グループは、Q値100万以上を有するシリコンナノ共振器の大量作製に成功している。ナノ材料をナノ共振器に付加する際、シリコン表面を最適化するために前処理プロセスを加えるのが一般的である。今後、Q値100万を超えるナノ共振器とナノ材料との融合を進めていくには、前処理がQ値へ与える影響を調べることが重要だと考えた。そこで、様々な有機溶媒や、表面酸化、表面修飾剤の塗布によるQ値変化の度合いを系統的に調べた。また、化学プロセスにより、金ナノ粒子、グラフェン、タンパク質をナノ共振器に付加する手法を開発してきた。

≪口頭発表の様子≫

本発表では、シリコンナノ共振器の光学特性に及ぼす表面処理手順の影響について報告した。代表的な前処理であるシリコン表面の酸化、表面修飾剤の塗布など、ナノ材料の付着を促進する様々な表面処理を施した場合でも、100万を超える高Q値の維持が可能であることを実証した。さらに、表面処理を施したナノ共振器表面に、金ナノ粒子およびグラフェンを付着させることに達成した。ナノ材料と結合したこのようなナノ共振器が新しい機能光学デバイス、高感度センシングに有用であると感じており、現在、我々は光学特性の測定を行い更なる最適化を目指している。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

海外で開催される国際会議への参加、英語を用いての口頭発表はともに経験したことが無く、発表準備を十全に行った。それにより、発表内容を十分伝えきれたと自負している。しかし、稚拙な英語能力のために質疑応答では深い討論は行えず、簡単な回答のみにとどまった。英語のリスニング、スピーキング能力の向上が今後の課題である。
他研究者との交流もバンケット等で行い、非常に有意義な会議だった。

また、先進的な街並みと昔ながらの文化が入り乱れた香港という都市を体験できたことは、私の人生においてかけがえのない財産になった。

最後に、本会議の参加に際し、貴財団から多大な援助を賜り、心から御礼申し上げます。

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