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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
五十嵐 俊
(大阪大学 大学院工学研究科)
会議名 SPIE Optics + Photonics 2018
期日 2018年8月19日〜23日
開催地 San Diego, California, United States
1.国際会議の概要

SPIE Optics + Photonicsは光学分野で世界最大の国際学会であり、イメージングやセンサーをはじめとした光に関する科学技術の発展を目的とし、毎年サンディエゴ(アメリカ)で開催されている。 今年は2018年8月19日〜23日の5日間にわたって開催され、世界中の多岐にわたる分野の著名な研究者や若手研究者4,300人あまりが一堂に会し、多くの招待講演や口頭発表・ポスター発表を通して最先端の研究の情報共有・討論がなされた。今年の講演では、人工的に光を制御するナノ構造体であるメタサーフェスに関する発表が多く見られ、光学分野における世界的なトレンドをうかがい知ることもできた。

また、本会議では企業によるブース展示やジョブフェア等も同時に開催され、研究に関する知見を広めると同時に、それに基づいて設備を整備・改良していく良い機会となっている。今年は180を超える企業が参加しており、多種多様な装置や部品を見て回ることができた。

さらに、本会議の前日にはSPIEを母体とする世界中の学生団体(Student Chapter)の交流会も行われており、良いリーダーとは何かについて熱い議論を交し、懇親会を通して世界中の学生と人脈形成をしていた。

2.研究テーマと討論内容

本会議では“Non-localized new plasmonic mode in fishnet metamaterials”というタイトルでポスター発表を行った。フィッシュネットメタマテリアルは金属と誘電体からなる網目状の層構造で、簡単な構造な上に可視域で負の屈折率を得られることから、その応用が期待されているメタマテリアルであるが、その原理について十分な議論がなされてきたとは言い難い。そこで本研究では、フィッシュネットにおける負の屈折率の原理についてシミュレーションを通して調査し、これまで説明されていなかったモードが寄与していることを発見した。また、このモードが構造の周期のみに依存していると見出したこと、プリズム状の構造を作るとこのモードに起因した負の屈折が起こることなどを発表した。これらは実際に応用を目指してフィッシュネットを設計していく上での重要な知見である。

発表時間は2時間あったが、ほとんどの時間を説明・議論に費やすほど多くの研究者に話を聞きに来てもらえた。多くの方にシミュレーションだけなのかと聞かれたが、ナノ構造体中の電磁場を実際に計測する技術がないことを伝えると納得してもらえた。また、網目の構造を周期的に切るとモードはどうなるのか等、興味深い質問をいただき、本研究について深く討論し、理解を深める良い機会となった。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

大規模な国際学会での発表で、質問や議論を通してさらに理解を深めたことはもちろんのことながら、実際に英語での説明や議論を行えたということが一番の成果であり、自信に繋がりました。多くの方に興味深いと言っていただき、なかにはこれを機にこの分野の研究を少し始めようかと言ってくださった方もおられ、私の研究が光学技術の発展に少しでも寄与できればと期待しています。

また、本学会では異分野の発表も多く聞くことができ、全く今まで考えもしなかったアイディアや研究を知るとても貴重な機会となりました。特に印象的な発表は、空間的な物性の変化の議論を時間的な物性の変化に応用するといったもので、まさに目から鱗で、非常に興味深いものでした。

本会議での経験は刺激になりましたし、聞かせていただいた講演や築いた人脈は今後の研究に必ず役立つものと思います。

丸文財団のみなさまのご支援のおかげで、このような貴重な経験を得ることができました。心より感謝申し上げます。

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