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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
吉岡 輝
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻)
会議名 2nd Asia-Pacific Symposium on Tritium Science (APSOT-2)
期日 2017年9月5日〜8日
開催地 Livermore Valley, California, USA
1.国際会議の概要

2nd Asia-Pacific Symposium on Tritium Science (APSOT-2)は将来の発電技術として期待される核融合炉の燃料となる三重水素(トリチウム)の科学に関する国際会議である。この会議では、日・中・韓を中心とするアジア、アメリカ及びカナダ等から多くの研究者が集まり、放射性物質であるトリチウムの安全な取り扱いや、核融合炉での応用に関わる基礎技術あるいは基礎研究について議論が行われた。今回の会議の参加者は、約80名の予定が、特に中国の研究者へのビザ発給の遅れのため約50名となったと伝えられた。規模としては比較的小さかったが、その分深い議論を交わすことができた。次回の会議は、2020年に日本の富山県で開催される予定となっている。

2.研究テーマと討論内容
≪発表中の様子≫

水素吸蔵合金として有望なものにマグネシウムが挙げることができる。マグネシウムは水素を約7.6 wt%という極めて高い密度で貯蔵でき、自然界に豊富に存在し、基本的には安価で軽量だが、水素を吸収・放出させる時の反応温度が600 Kと高く、吸収・放出速度が極めて遅いという欠点がある。

本研究では、Mgと水素吸収能力を持つTi及び水素化触媒効果を持つCoを湿式メカニカルアロイング法によって合金化させることで、Mgの水素吸収・放出特性の改善を試みた。まず始めに、ミリング時の有機溶媒 (Benzene, Toluene, Cyclohexane, Tetrahydrofuran) の選定を行った。次に、ミリング時間を3 - 8 hの範囲で変化させ、ミリング時間の最適化を図った。これらの結果、有機溶媒はBenzene、ミリング時間は7 hの条件で最も良い水素吸収・放出特性となったので、これらの条件でTiCoの添加量を10 - 40 mass%の範囲で変化させた。その結果、TiCoの添加量が30 mass%の試料で4.57 mass%の水素吸収量に達した。これは、ミリング処理を4 h行ったMgの水素吸収量に対して約16倍大きくなっている。最後にMgにTiCoを30 mass%添加した試料で吸収温度を383 - 473 Kの範囲で変化させ実験を行い、各温度での水素吸収曲線に対して理論曲線とのフィッティングによって見かけの拡散係数を求めた。4 hのミリング処理を行ったMgの見かけの拡散係数に対して、MgにTiCoを30 mass%添加した試料は約106 - 107倍大きくなった。このことから、Mgの高いエネルギー障壁を大きく下げることができたと考えられる。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回の国際会議では、ポスター発表を行った。発表時には、たくさんの方から貴重な質問をいただいた。また、研究の課題も見つかり、大いに勉強になった。しかし、私の英語のつたなさからうまく言いたいことを伝えることができなかったことや質問を聞き取れないことがあった。英語で会話がもっとできていれば有意義な時間を過ごせていたと思うので、英語でのコミュニケーションを上達する必要があると強く感じた。

最後に、今回の国際会議への参加にあたり助成金を交付してくださった丸文財団に深く感謝いたします。

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