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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
海野 雄丈
(山梨大学 大学院医工農学総合教育部 工学専攻)
会議名 13th European Conference of Applied Superconductivity (EUCAS 2017)
期日 2017年9月17日〜21日
開催地 スイス、ジュネーブ
1.国際会議の概要

EUCAS (European Conference on Applied Superconductivity) は2年に一度ヨーロッパで開催される超伝導応用の国際会議である。13回目の開催地はスイス西部、レマン湖の南西岸に位置する都市、ジュネーヴにあるCICG Geneva (Centre International de Conferences Genève) という会場で9月17日〜21日の5日間にわたって行われた。参加者1,194名(46カ国)のうち、オーラル発表は168件、ポスター発表が709件で大型コイルといった大規模応用から材料、エレクトロニクス応用と、幅広い超伝導応用研究の発表が行われた。最終日ではCERN(欧州原子核研究機構)で最先端の超伝導技術について聴講することができた。

≪レマン湖と大噴水≫ ≪EUCAS会場≫
2.研究テーマと討論内容

周波数資源の有効利用の実現には、通信基地局側では高性能フィルタ(低損失・急峻な遮断特性)が要求されている。超伝導体の低損失性を活かすことで常伝導フィルタでは実現できない低損失と急峻な遮断特性の両立が可能となり、高性能フィルタの要求を満たすことができる。また、高速・大容量通信の実現には、複数帯域を束ねて同時に使用(広帯域化)するキャリアアグリゲーション技術が提案されており、その要素技術である3つの帯域を同時に通過できるトリバンド帯域通過フィルタ (TBPF) の実現が求められている。そこで本研究室はこれらを同時に実現する超伝導TBPFの研究を行っている。しかし、TBPFの設計において各帯域の設計パラメータを独立に調整することが難しい問題がある。特に設計パラメータの1つである外部Q値は給電線を各帯域で共有しているため、所望の設計値に各帯域で調整することは困難であった。そこで本発表では、4つのパラメータを用いた設計手法を用いることで、これまで困難であった超伝導TBPFの高性能フィルタ設計を可能とした内容を議論した。本発表のフィルタは他の超伝導TBPFと比較して最も高性能(低損失・急峻な遮断特性)を有するフィルタであった。

議論では提案する設計手法について、調整可能なパラメータの範囲や各帯域の自由度だけでなく、測定結果の特性について活発に議論を行った。良好な測定結果が得られたため、訪れてくださった多くの研究者から興味を持っていただけた。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)
≪ポスター発表の様子≫

これまでの国内学会とは違い、多くの他国の方々と交流、意見交換をすることができた。私自身初めて海外開催の国際学会であったため、英語によるコミュニケーション能力不足さを強く痛感した。質問の意図が理解できなくて何度か聞き返してしまったり、回答しようにも自分の中でうまく英語で伝えることができなかった場面があった。今回は相手が私に合わせてゆっくり話してくれたりしてくれたため、自分の意見を伝えることができたが、今後はより一層英語によるコミュニケーション能力向上に励みたい。

研究成果についても多くの方々に良い評価と激励の言葉をいただくことができました。また、今後の研究の方向性に関する貴重な意見をいただくことができたため、今後の研究活動に生かしていきたい。

最後に、本会議への参加にあたり、多大なるご支援をいただきました一般財団法人丸文財団に心より感謝申し上げます。

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