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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
高橋 一真
(名古屋大学 工学研究科 マテリアル理工学専攻)
会議名 2017 Materials Research Society Fall Meeting
期日 2017年11月26日〜12月1日
開催地 Boston, USA
1.国際会議の概要

Materials Research Society (MRS)は年2回、春と秋に開催される材料系の国際会議であり、秋の会議は毎年、アメリカのボストンで開かれる。ボストンは世界的に有名な研究、学術都市であり、アメリカ最古の大学であるハーバード大学やマサチューセッツ工科大学が存在する。今年の会議は11月26日〜12月1日の6日間、Hynes Convention CenterとSheraton Boston Hotelにて開催された。今回は6,500人以上の参加者と241の出展があり、例年通り世界的に大きな会議となった。セッションは54と多数の分野に分類されており、医療から電子デバイスの分野まで様々な用途の材料に関して、発表と活発な議論が行われた。私はSilicon for photovoltaicsの分野にて発表を行い、その分野では主に最新の太陽電池に関する議論が活発に行われた。

≪ボストンの町並み≫ ≪会議場前の様子≫
2.研究テーマと討論内容

Alternative simple method to realize p-BaSi2 thin films for Si heterojunction solar cells application の題目で、口頭発表を行った。BaSi2は太陽光に適した光電特性を持つ上に、地殻中に豊富に存在する元素で構成される半導体である。そのため、新規太陽電池材料として注目されているノンドープでn型の性質を示す半導体材料である。我々の研究グループでは、この太陽電池の産業応用を目指し、真空蒸着法と呼ばれる大面積に低コストで製膜が可能な手法を用いて、ノンドープのn型BaSi2薄膜の研究を進めてきた。この材料を用いて太陽電池を作製するためにはp型BaSi2が不可欠であるが、大面積に製膜する手法がなく、産業応用が困難であった。そこで、私は真空蒸着法におけるBaSi2の成長メカニズムをもとに、大面積製膜が可能なp型BaSi2の製膜手法を提案した。この手法ではBドープのp型BaSi2を作製するためにあらかじめBをドーピングしたアモルファスSiをプラズマ援用化学気相成長法で堆積し、その後真空蒸着法でBaSi2を堆積する手順からなる。この提案の結果として、高ホール濃度を持つp型BaSi2薄膜の作製に成功した。近年我々が注目しているシリコンへテロ接合太陽電池のホール選択層としてこの薄膜を応用した結果、6.2%の変換効率を達成することができた。この成果はこの手法が太陽電池に適したp型BaSi2の作製手法であることを示し、BaSi2太陽電池の実現に大きく前進する結果となった。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回が海外での初の国際学会であったため、口頭発表前は非常に緊張しました。しかし、発表が始まってからは落ち着いて発表することができ、聴講者に私の研究内容を十分伝えることができたと思います。質疑応答時には、一度で質問を聞き取れず、何度か英語でやり取し、回答をする場面がありました。このとき、自分の英語能力の低さを痛感し、改めて英語の重要性を実感しました。発表以外の時では、太陽電池や他のエネルギー変換材料の研究者の方々と話す機会が多くありました。そこで、その方々の研究や私の研究に関して議論することで、今後の研究に繋がる情報やアドバイスをいただくことができました。今回の国際学会を通して、発表スキルや研究に関する知識を十分学ぶことができ、一研究者として大変有意義な時間を過ごすことができました。最後になりますが、本会議に参加するにあたり、御支援いただきました貴財団に厚く御礼申し上げます。

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