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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
田 崚介
(筑波大学 大学院システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)
会議名 The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI2017)
期日 2017年5月6日〜11日
開催地 Colorado Convention Center, Denver, CO, USA
1.国際会議の概要

The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems(通称CHI)はヒューマンコンピュータインタラクション分野における世界最大かつ最高峰の国際会議であり、今年のCHI2017はアメリカ、コロラド州のデンバーにて開催された。
デンバーはアメリカ中部のロッキー山脈の麓にあり、標高1,600m以上の高所に位置する街である。年間300日が晴れることが有名であるが、会議参加中2〜3日間は雨や雹が降る天候であった。

参加人数は2,898人であり、53カ国から参加者が集まった。投稿件数および採択件数は登壇発表で2,400件中600件(採択率25%)、ポスター発表で537件中208件(採択率38.7%)であった。

5月6〜7日はワークショップ、5月8〜11日は登壇発表ならびにポスター発表が行われた。登壇発表は1タームあたり19のセッションが並列して行われ、1セッションあたり3〜5件の研究発表があった。また1日あたり3〜4ターム行われるほどの会議規模であった。ポスター発表は5月8〜9日の前半セッションと5月10〜11日の後半セッションに分けられ、各セッションあたり100件ほどのポスター発表が行われた。

2日目の5月7日には日本ならびにインドネシアのコミュニティが中心となって本年より発足したAsian CHI Symposiumが会議内の1セッションとして開催され、12件のデモ/ポスター発表ならびに5件の登壇発表が行われた。私はこの内のAsian CHI Symposiumにてデモ/ポスター発表を行い、本会議にてポスター発表を行った。

また5月9日の夜にはCHIに参加する日本人研究者同士の交流を目的とした Japan Nightが開催され、国内外で研究する多くの研究者が意見交換する場が設けられた。参加人数は50名程度であった。

次のCHI2018はカナダのケベック州、モンテリオールにて4月21〜26日に開催される予定である。

2.研究テーマと討論内容

研究者はCHI2017にて以下の研究テーマの発表を行った。

タイトル:
A Technique for Touch Pressure Sensing using a Waterproof Device's Built-in Barometer

概要:
防水機能を有するタッチパネル端末(以下、防水端末)において、画面タッチ時の圧力を取得する手法を示す。本手法は気密性を有する防水端末にタッチした際に、端末表面がたわむことによって内部の気圧が変化し、内蔵された気圧センサの出力値が変化する現象を利用する。また同じ圧力にてタッチした際の防水端末の気圧の変化量は、押下位置および押下圧力によって異なる。我々は実験により、本手法における押下位置ごと、ならびに押下圧力ごとの感圧特性を調査した。さらに被験者実験により、ユーザが本手法を用いた際の押し分け精度を調査した。


会議では主要な先行研究である論文の著者(韓国KAISTの学生)がポスター発表に聴講しに訪れ、30分以上にわたる有意義な討論を行うことができた。内容は本研究の次に行うことについてや、入力精度について意見を交換するものであった。また操作に用いる端末をスマートフォンだけでなく、スマートウォッチやタブレットではどうなるかという討論も行った。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

コミュニケーションに関して:
Asian CHI Symposiumならびに本会議では英語による研究のディスカッションを行ったが、問題なくディスカッションをすることができ、国際的に研究を行うにあたって支障が無いことを確認することができた。
しかし、登壇発表の聴講では質疑応答の理解などが難しく、デモ/ポスターとは距離感の異なる英会話の際に、英語力が不足していることを痛感した。そのため、英会話学習サービスを利用し、英語力向上を図ることを目指したい。

国際交流に関して:
韓国(KAIST)や米国(MIT)の学生と意見交換を行うことができ、お互いの連絡先の交換も行った。また意見交換により、本研究の次の目標を定めることができた。さらに他のポスター発表者に積極的に話しかけ、ディスカッションを行った。

感想:
最高峰の会議に相応しい、レベルの高い研究発表が多く、特に調査ならびに評価をしっかりと行ったものが多い印象であった。
Asian CHI Symposiumでは出席者全員によるデモ/ポスターの相互投票が行われ、見事に本研究が1位となり、ベストデモ/ポスターアワードを受賞することができた。

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