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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
澁谷 九輝
(徳島大学 大学院先端技術科学教育部)
会議名 SPIE Photonics West 2018
期日 2018年1月27日〜2月1日
開催地 The Moscone Center, San Francisco, California, USA
1.国際会議の概要
≪会場のサンフランシスコモスコーニセンター≫

SPIE Photonics Westは、国際光工学会が主催し、光学全般、光源開発、光学の医療応用といったあらゆる分野の研究者が一堂に会する学会である。毎年アメリカ・サンフランシスコで開催され、今年は世界中から約5,300件もの発表があり、最新の研究報告とそれに関する議論が行われた。他にも、特別講演や技術セミナー、企業ブースの出展などが行われており大変盛況であった。また、会場となったサンフランシスコは、西海岸ということもあり比較的温暖で天候にも恵まれており、素晴らしい環境であった。

2.研究テーマと討論内容

今回、“ Single-pixel diffraction-phase microscopic imaging combined with photon counting"という題目で1月29日にポスター発表を行った。透明物体の可視化技術の一つである位相イメージングの高感度化を目的とし、新規手法を提案した。

≪発表の様子≫

位相イメージングは、光の位相変化を検出することで透明物体を可視化する手法である。蛍光染色などの前処理を必要とせず、非侵襲な手法であるため、光学薄膜の評価や医療分野に広く用いられている。なかでも、位相を定量的に取得できる定量位相イメージングの一つである回折位相顕微鏡 (DPM) は、既存の顕微鏡に容易に構築可能であること、高い外乱耐性をもつことから特に生体細胞の観察に用いられている。しかし、DPMは位相を正確に取得するために高い空間コヒーレンスが求められる。その一方で、スペックルによる位相ノイズを低減するために低い時間コヒーレンスが求められる。一般的に空間、時間コヒーレンスは共存関係であるため、上述の相反する要求を満たすと光の利用効率が非常に低くなる。そのため、高感度カメラや高出力光源が必要となる。そこで、我々は、高感度なシングルチャネル検出器による非走査型イメージング手法であるシングルピクセルイメージング (SPI) に着目した。SPIは高感度なイメージングだけでなく、空間多重化による画質向上および圧縮センシングによる測定時間短縮も期待できる。本発表では、SPIをDPMに組み合わせ、さらに光子計数法を導入した単一光子レベルの高感度定量位相イメージングシステムの提案と実証を行った。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

非常に多くの方に興味をもっていただき、ポスターセッション中は終始プレゼンテーションおよび有意義なディスカッションをすることができた。また、それを通して自らの研究の認知だけでなく、同研究分野におけるつながりを構築することができた点は、大きな成果であった。

5日間に亘る多数の講演は、研究をさらに進展させるための有益な知見を数多く得る素晴らしい機会となった。特に、本会議には定量位相イメージングの世界トップレベルの研究者が多く参加しており、それらの講演は大変刺激的なものであり、今後の自身の研究に与える影響は大きいと感じた。

最後に、海外渡航に助成いただいた一般財団法人丸文財団に深くお礼申し上げます。

≪コイトタワーから望むゴールデンゲートブリッジとアルカトラズ島≫

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