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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
佐野 有佳子
(東京理科大学)
会議名 21st International Conference on Composite Materials (ICCM-21)
期日 2017年8月20日〜25日
開催地 中国・西安
1.国際会議の概要

第21回複合材料国際会議(ICCM-21)が、中国・西安で、2017年8月20-25日に開催された。ICCMは2年おきに開催される複合材料の分野で最大級の国際学会であり、今年で第21回、42年目になる会議である。複合材料分野の最先端の研究を行う研究者たちが世界中から集まって研究発表や議論を行う場で、世界的な研究の動向や、各国の持つ研究の強みや規模などを知ることができる会議として注目されている。ICCM-21の会議の主題は複合材料の開発における革新の非常に重要な役割を探究し、複合材料が世界経済を押し上げるかどうかを検討する「先端複合材料:革新と開発」であった。この会議には、世界各地からの2,000人以上の参加者が集まり、大学や研究機関のみならず、航空産業などの様々な企業からも参加があり、産業界にとっても大きなイベントになっており、産官学全ての複合材料を扱う人にとって注目すべき学会となっている。


≪ICCM会場外観≫

2.研究テーマと討論内容

3Dプリンターは既存の加工法では実現できなかった複雑な造形が可能であり、これまでは複数のパーツを組み合わせて完成させていたものも一体造形が可能である。医療・福祉機器業界ではオーダーメイドの義肢や人工骨等の生産が可能になることも想定されており、航空機メーカーでは形状の異なる精密部品の生産が求められているため金型不要で多品種小ロットの生産が可能な3Dプリンターが求められている。しかし、従来一般に利用される3Dプリンターは、樹脂自体の力学的特性が低く、試作模型や玩具の製作としての利用が主体であり、実用レベルの構造製作には不向きである。熱溶解積層法は積層ピッチが最小0.1 mm程度であるため造形精度が荒く、フィラメント間に大きなボイドが残るなど構造部材上の問題がある。また、樹脂自体の熱収縮性があるため変形により加工が失敗してしまうといった問題もあげられる。また、航空機等に用いられる複合材製構造材の作製装置は大型のものが主流であり、精度が要求される細かな部品の作製可能な装置が求められている。

そこで本研究では、複合材料をSLA式3Dプリンターで成形する技術を構築する。その成果をICCMにて発表してきた。

作製した試験片についての作成プロセスについての質問や使用した樹脂は何かといった質問を多くいただいた。また普段意識しない部分に関しての質問もいただき今後の研究指針を見つめ直すきっかけにもなった。今後はそれらの質問やアドバイスを元により高度な光造形3Dプリンターによる複合材料成形にトライしたいと考えている。


≪発表時≫

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回の会議ではConstruction of 3D print of glass composite material using light-curing resin and evaluation of mechanical propertiesというタイトルで15分間の口頭発表を行った。私が参加したAdditive manufacturingセッションは今回の会議の中で盛り上がったセッションの一つであり5分間の質疑応答では5件の質問・コメントをいただくことができた。疑応答後の休憩時間にも質問や議論を活発にかわすことができ、研究内容に関して非常に有益なコメントをもらうことができた。学生や研究者、企業の方など様々な方と交流することができ、研究に向き合う姿勢や英語でのコミュニケーションなど研究内容以上に勉強になることが多々あった。

以上から、今回の会議に参加したことは今後自分の研究を進捗させる上で非常に有意義なものとなった。本会議への参加にあたり多大なご支援を賜った貴財団に厚く御礼申し上げる。


≪懇親会の様子≫

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